第2話 現国王への謁見
いやいやおかしいだろ。
勇者でもなくいきなり国王なんて
この世界には安全を脅かす魔物はいないということなのか‥
そもそも俺にチート能力が
ついてるようには思えない
少し若返っているがそれだけだ。
どうせならチート能力とか貰いたかったんだけどなぁ
いやくねくね言っても仕方ない!
そう思いアムリアへ返事をした
「正直今何か言われたところで何も分からないんだ。この国の王様のところに連れて行ってくれないか?」
アメリアは少しうなずき
「勘が鋭いな。それでは早速行こうじゃないか」
アメリアはそう言うと
部屋の鍵を開け俺を外に出した
正直俺はビクビクしていた。表では平常を保っているように
見えるが、内心では不安が渦巻いている
これから俺はどうなるのであろうか‥
もし、国王の機嫌でも損ねてしまったら国王になるなんてことは白紙だ。
追放されるかもしれない。
国王がいる部屋へ近づくたび、
不安が増えていった
そして、国王への謁見の間についた。
これからどうなるのであろうか‥
そう思っていたが国王の反応は思っていたより穏やかだった
優しさが溢れているような王であった。
謁見の間の周りを見ると、豪華とは言えず
あまり国が大きくないということがわかった
国王はまず名前を名乗った
「私の名はタクト=イグザルトだ。アメリアは私の娘でもある。」
俺は少し驚いた。アメリアが王女だったとは‥
国王は驚いている俺を少し待つと
「ここはイグザルト王国といい、代々イグザルト家が王を務めてきた」
そう言うと国王は深刻そうな顔をして
「だが、私には娘しかいない。国の法で国王は男性のみとすると決まっておるのだ。」
俺はなんとなく呼ばれた理由がわかった気がした
「だから俺に国王をやってくれということか?」
国王は少し笑い
「その通りだ。そこまで見抜くことができたなら良い国を築けるようになるだろう。」
「私ももう歳だ。
ショウマこれから国は頼んだぞ」
正直驚きと疲れがたまっていた。
だが、この国はわざわざ他の世界から人を呼び出すほど危機的状況に陥っているらしい。
この世界でもまたブラックなのはやめられないか‥
そう思うと俺は膝を床につけ
「引き受けさせていただきます」
俺が言うと国王は喜んだ顔で
「それは良かった!早速明日、式を開くぞ!準備をしてくれ」
「え?」
声が出てしまった。いくらなんでも早すぎると思ったからだ
国王になる訓練とか一切してないんだが‥
そう思ったが今更何かを言っても仕方ないと、立ちすくんでいるとアメリが声をかけてきた
「ショウマも今日は疲れただろう。部屋に案内する。ゆっくり休んでくれ」
案内され部屋につくと、想像以上に過ごしやすそうな
部屋だった。
アメリアが 「それでは失礼する。」
と部屋を去ったとき
俺はふかふかのベッドに飛び込んだ。
「こんなに寝れるなんて何ヶ月ぶりだろう‥」
そう思うとベッドに横たわったまま
眠りについた
翌朝、城内はひたすらいそがしそうだった
国王が急に決めたということもあって、準備が大変らしい
「やっぱり流石に早すぎたんじゃないか?」
貴族への招待状の手紙もあるだろうし、一日で準備なんて出来るのだろうか‥
そう思っていると、アメリアが部屋に入ってきた。
「ショウマの出番だ支度をしてくれ」
そう言うと服を渡された。
「これからショウマには侍女がつく。今日は侍女たちに支度をしてもらってくれ」
侍女たちが部屋に入ってきた。
髪のセットやら服の締め直しやら、
色々なことをやられた
これが国王としての
威厳を保つものだと分かっていたため
大人しく過ごしていた
流石に国王がダサい服着て髪がボサボサだったら誰もついて行きたくはないよな
準備ができると侍女たちは出ていきアメリアと二人きりになった
二人きりになるとアメリアは申し訳無さそうに言った
「こんな状況に巻き込んですまない。私も国務はやったことはある。できるだけサポートはする」
アメリアも少し罪悪感を持っていたんだな‥
「大丈夫だ。前の世界で思い残したことはあったが、あのまま生きても辛いだけだしな」
アメリアは 「そう言ってもらえてよかった」
と、少し安心した顔で話した
そしてついに、次期国王発表式が始まった。
貴族たちの反応はどうなるのであろうか
次回へ続く
ブラック企業の社員、皇帝になる kawasaki @kawasakiken
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