あの日#25
父「え・・・?
そんなはずはない」
「私は"
「それにこの間は、いつもより波動が扱いづらくて、
体調が優れないから護符を使った。
気力が奪われすぎたくらいなんだ。」
"
これまでよりも自分の波動を、気力を、より封じに持っていかれる。
"
あんたに求められる基準が変わったんだ。
その力を有しているから。
あんたには可能であると、お
呆れたような、悲しげでもあるような表情を浮かべながら
「何故この
「いや知らなんだのか・・・」
「哀れよのう・・・」
と各々が口にした。
父「そんな・・・」
彼らに伝えられた事実に、だんだんと青ざめていく父の顔に、
とても悲しく、やるせない気持ちが溢れてくる。
僕の友を、
そして友の両親である、里を護ってくれていた方々を・・・。
犠牲に・・・
危機に・・・
さらしてしまったのが・・
僕の父だったなんて・・・。
突然に突き付けられた事実に、
大きすぎる落胆と、
受け入れたくないと思ってしまう抵抗感
あらゆる感情が追い付かないでいる中、
現実は淡々と進んで行く。
"壱"の女「これから、お
そこであんたは
それから・・・
ここら一体の
この
人間は住めなくなる。」
"
"お
もう居ない・・・
"
"お上の方"には、私たちの中でも"
お目通りが許されていない。」
「当然、息子の君であっても。」
当たり前のように進む現実に戸惑いながらも、
どうしても
答えがもらいたかった。
僕「父さん・・・。
どうして・・・」
父「違うんだ・・・
きっと何かの・・・
その・・・」
父も
まともな会話になどならなかった。
僕「あの・・どうか、僕もここに居させてください!」
訳のわからないまま進む現実と、
言い知れぬ
この場に居なければと思った。
けれど、
"
「それはできないよ。
ただでさえこの事態なんだ。
たった一人の
力を持つ者として、どうにも説明がつけられない。」
悔しそうな、
悲しそうな、
見ているこちらの胸が詰まるような表情を浮かべ、
壱の女は天を見上げた。
僕「そんな・・・。」
すると突然、
青かったはずの空が、
再び突然開かれ、あたたかく柔らかい光が降ってきた。
その瞬間、
僕は強い眠気に襲われ、全身の力が抜けて気を失った。
目が覚めたころには、
見たこともない土地に、
里の人間ごと移動していた。
僕たちは皆、
僕は父とも
友であった彼ら兄妹とも
再会することは・・・
叶わなかった。
プロローグ あの日 完
神託地の護人 賽 (さい) @sakuyomi_sou_den33
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。神託地の護人の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます