#24

僕にとってもよくわからない展開に、


ただ戸惑とまどっていた中、父は僕よりもさらに動揺していた。



父「よくわからん言いがかりだ。


  ここへ残れと・・・?息子が何かことを大きくしたのなら、


  申し訳なく思うが・・・見たらわかるだろう?


  首元の数字も、なにより息子はこんな傷を、負っているんだ。」


参の男「何言ってるんだ・・・?あんた」


弐の爺「じゃあ何故なにゆえに、ここへ連れてこられたと思っているんだい?」


父「帰りが遅い息子を連れ帰りに来ただけだ。」


参の男「はぁ?!」


僕「父さん・・・まさ」


参の男「まさか・・・見えていないのか?」



父「さっきから何なんだいったい?


  封じの儀で我々は、日頃ギリギリの状態になるまで


  気力を奪われるほどに協力している。それで十分だろう。


  結界のほころびがどうの・・・


  "ろく"である私たちには関係がないだろう!!」




壱の女「やっぱり・・・。」


僕「父さん・・!!」


壱の女「おっさん。見えなくなってるね。

   

    あんたの有している数字ちからも、

   

    息子の数字ちからも。」



父「は?君こそ何を?」



壱の女「じゃあ、あたしの数字は何番か、当ててみな?」



父は呆れたように首を振り、やれやれといった態度で


まじまじと壱の数字を持つ女を眺めて、こう言った。





父「偉そうに物を言う娘さん。君の首元には何もないじゃないか?


  はっ!おかしな事を言う。」




父さんが、そうハッキリと断言した相手の首元には・・・・


"壱"の数字。



この人の身にまとう波動は、とてつもなく眩くて大きい。


普通なら、距離を置かないと目がまぶしさで


やられてしまいそうな程なのに・・・。






弐の爺「見えていない。ね。


    あんた。自分の事も、何も見えていないよ。」



壱の女「あたしらを目の前にして、何ともないってのがおかしい。」



参の男「あんた、だったんだ・・・この結界のほころびを作ったのは。」





唐突とうとつに知らされるとんでもない事実に、


一瞬、男の言葉の意味に理解が追い付かなかった。





僕「へ?」


父「んな!!  そんなはずはない!  冗談はよしてくれ。


  そうだろう?お前も言ってやってくれ!


  そして家に帰ろう。」



そう言われたけれど、僕は・・・




僕「父さんは、確かに""だよ。


  封じの儀の時に、見たんだ。


  この間、補助の護符をしていた時に・・・。」






そう、事実を伝えた。







続・・・・

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