数秒未来図

アルバーニャ

僕と私

一瞬の出来事だった。

去年の夏に車の事故に遭い、死と直面した。車は横転し、そこから覚えてない。幸い運転していた母は無事で、僕も命に関わる怪我などはしなかった。しかし、僕の脳に障害が残った。それからだ。

自分の数秒先の出来事を見れるようになったのは。

つまり、未来が少し見れるという事。

今は5秒先の未来が見える。

目を瞑り、意識すると自然に見ることができる。


僕は父に憧れて、警察学校に入り、刑事になる為に日々頑張っている。


何故、僕は数秒先の未来を見ることができるのか時々考える。脳に障害が残ったからか。それか、僕の妄想とか。

僕は、未来とは見てはいけないものだと思う。なんで分からないけど、いつか自分にその分の不幸が訪れると考えている。だから最近はあまり見ていない。もう見ることはないかもしれない。



時は経ち、目を開けたら私は26才。今は刑事をやっている。長い間未来を見ることを拒んでいたせいか、全く見ることができない。仕事も成果はでず、詐欺事件の担当をしている。


「坂口くん、殺人課に少々手を貸してくれないか」


上司の金田さんに言われた。


「どうして私が?お役に立てるかどうかわかりません。しばらく担当してなかったのですから、、、」


「ある殺人事件をおっているんだが人手が足りなくてね。経験のある君に協力してほしいことがあるんだ。」


「どういった殺人事件ですか?」


「連続殺人だよ。同じ犯行手口だが、それが非常に残虐な殺し方でね。証拠も少なく、無差別殺人の方針に進んでいる。まあ、今のところ何も分かってないんだけどね。」


「そうですか。ええ、分かりました。お役に立てるよう頑張ります。」


そう言うと金田さんは私に事件の資料を渡した。


「頼むよ、いい報告待ってるからね。」


私は久しく殺人事件を担当した。正直やる気はあまり起きなかったが、早速資料に目を通した。


「かなり酷い写真だな。」


被害者は皆、焼身死体で見つかっている。

1人目の被害者は中嶋颯32歳。地元のスーパーで遺体を発見。彼はそのスーパーで働いていた。

2人目の被害者は花山七香25歳。彼女が務めたいた薬局で彼女の遺体が見つかった。二人に関連するものは何もない。

3人目の被害者は加藤雄太22歳。彼は自宅で遺体として発見された。隣人が警察に通報。

やはり関連するものはない。

それからの被害者は8名。被害者8名は全員、小学校で発見された。やはり全員焼身死体で見つかっている。


被害者は11名。殺し方があまりにも残忍だ。

犯人は頭がおかしいのだろう。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

数秒未来図 アルバーニャ @unoten

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る