朝の日課

バブみ道日丿宮組

お題:朝のセリフ 制限時間:15分

朝の日課

「後ろは任せたから!」

 振り返らなくてもわかる安心感。これが妹なら勝手に行くだろうけど、

「登校中くらい平和にいかないものかね?」

 お互い笑い声をあげながら、出現した鬼へと向かう。

「悪はいつから悪なのかを決めないと、平和って難しいと思うな」

 鬼はまだ小鬼であるから、刀を振りかざすだけで簡単に倒せる。大鬼が出る前に学校の結界の中に入りたいものだけど、

「どうして通学路に結界はらないんだろうね」

 先に鬼を片付けてきた幼馴染が隣へと、キレイに飛翔してきた。

「大方練習相手、実践が一番腕がよくなるからっていう理由でしょ?」

 あからさまに鬼は生徒しか襲わない。

 陰陽師の力を狙ってくるからしかたないねってクラスメイトはいうけど、そんな理由じゃない。

 大神様の加護が街全体を包んでて、生徒は例外で保護対象外。

 もちろん、闘うスキルを持たない開発、研究科は保護の対象になってる。

 システム次第だけど、闘う運命を選ぶなら闘うことを必然とする……全く面倒なことで。

「今度鬼の大討伐をするって話本当かな?」

「鬼の気が濃くなったところに攻めるって話?」

 うんうんと頷くと、

「新兵器も試したいし、結界の新しいバリエーションも開発局がしたいみたいよ」

「なるほどね」

 さてと、見渡す限り鬼の姿は消えた。

 ある一定の時間がすればまた形付くられるが、そこは上級生やプロが完全に祓ってくれるだろう。わたしたちはまだ入り口にいるに過ぎないただの陰陽師。

 あくまで散らすことしかできない。

「そういや妹ちゃん元気?」

「護符バリアってのを作って、登校してたよ」

 わたしの妹は開発科。

 天才と言われるほどのもので、いろんな鬼対策の商品を作ってる。

 そのおかげで父は娘より給料が低いと嘆いてる。

「妹ちゃんらしいね、さぁいこうか。復活する前に」

「そうだね」

 数分後、後ろの方で闘う音が聞こえてきたところで、わたしたちは学校の敷地内に入った。

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朝の日課 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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