第4話 ちょっと変わった被害者

 第2話で事故が起きて車が全損となった時、私が以前にある事故を起こしかけた事に依り車両保険に入っていて良かったと書きましたが、車両保険に入るきっかけとなった、

「違反以上・人身事故?」

について、とても変な経験をした事を書いていきますね。

平成29年5月10日水曜日(2017年)午前中に学生達に食べさせる翌日の食事の食材を、自宅から車で20分位掛かる昔から有る、地元では無い規模の大き目なショッピングセンターに買いに来ていました。11時45分頃に買い物が終わり、お店に併設されている立体駐車場の3階から車で1階まで下りて、お店の玄関口に野天の駐車場が有り、その駐車場から、お店の裏口から出て直ぐに有る道幅の狭い道に出る為の細い路地に、立体駐車場の出口から出て、直ぐにお店の裏側の道に突き当たった時の事です。

「右を見て、車は来ない。左を見て、車は来ない。さて、右にゆっくり出ようかな。」

心の中で、そんなセリフを呟きながら、左から右に頭を振り返らせながら徐々に右にハンドルを切って徐行しながら右方向に車を動かし始め、顔が正面から右に向いた瞬間に人が車の直ぐ前に居て急ブレーキを踏んだのです。その人は尻もちをついたのですが、

「ん? なんだ?何故この人、車の下に一生懸命入ろうとしているの???」

と、その人が尻もちをついてからの行動を見てしまい、

「変だな???」

と言う感情が一番初めに湧いてきて、今まで事故など起こした事が無い自分が起こしてしまった事故だから、もっと気が動転しても仕方が無いと思うのですが、何故か変に落ち着いていました。

その男性は、私が車を停車させて運転席から出て助けに行った時に、

「出てこないと思って道を渡ったら、出てきやがって!!!」

と、大きな声で怒鳴ってきましたので、勿論、謝りながら、立ち上がるのを手助けして、車をそのままにしておくと、通行の邪魔になるので、ショッピングセンターと直ぐ隣に有るパチンコ店との、共同の広大な野天駐車場がショッピングセンターの裏口側に有る道を挟んだ向こう側に広がっていて、そちらの野天駐車場に車を移動させました。その駐車場から、ショッピングセンターかパチンコ店に入店する人が、横断歩道の無い所でも自由に横切る道でもありました。

男性は、起き上がり歩く事も出来ましたが、私が、車の右折をする時に、右から来るの車の確認と、左から来る車の確認をして、もう一度右の確認をしてから車を発進させれば、この様な事にはならなかったのですが、右の確認をする前に発進させてしまって、人が渡る所を見ていなかったのが原因で有る事は事実です。男性は、駐車場に車を移動させた私に、

「事故だから警察に電話をして事故検証してもらう。」

「ここは、〇〇〇市の警察署の管轄だから、0・・9-2・-6・・・番に電話をしてくれ。」

と、警察署の事故対応部署の直通電話番号を、何も見ずにペラペラと私に教えてくれるのです。普通でしたら、110番に電話をして対応してもらうと思うのですが、

「何で、警察署の事故対応部署の直通電話番号を知っているんだ???」

と、私は警察に電話をしながら、非常に不思議に思ったのでした。

警察に連絡し終わり、その男性と警察官を待つ間に言われた事も引っ掛かりました。

「俺は、脳梗塞を発症して、もうじき入院して治療を受けるんだ。それに、心臓も良くない。この事に依って症状が悪化したかもしれないから、検査を受けたいんだ。」

と、警察官を待っていて、最初に言われた事でした。

「おれは、〇〇〇市民病院の脳神経外科を受診しているから、そこで、診てもらうからな。」

 間もなくして、警察官が2人来てくれて、事の次第を話して、私は任意保険の保険会社に電話して、詳しい事の次第を話して、相手の多分50代位の男性もその保険会社の担当者と2人で話をしてもらい、一旦電話を切って、警察官と話をしている時に、人身事故にするのかどうかという話で、怪我は有るのかどうかと言う話になって、警察官が相手の男性に、

「骨折とか、何処か怪我をしたとか有るんですか?」

と聞いたら、

「骨折をしたという事は無いが、尻もちをついたから、尻が痛い。〇〇〇市民病院でいつも診てもらっているから、診察を受けたい。」

と答えた。

そこで、どうしても私の疑問が膨れ上がり、ついに、相手の男性のいる前で、警察官に、

「こんな事故を起こしたのは初めてなので、よく分からない事が有るんですが、教えて頂いて良いですか?」

「良いですよ。どういう事でしょうか?」

「あの~、こちらの△△さんが、最初から私に言われる事なんですが、自分は脳梗塞を患っていて、もうじき入院して治療を受ける予定だし、心臓も悪いんだ。この事に依って症状が悪化したかもしれないから〇〇〇市民病院の脳神経外科で検査を受けて、治療も受けたいんだと言われるのですが、そういうものなんですか?」

と、疑問をぶつけてみました。それに対して警察官は、

「要するに、骨折が有るのか無いのかが最も重要であって、整形外科で受診して頂いて、どの程度の怪我や骨折などの事実があるかを診て頂く事が、この事故での病院で証明して頂く事項です。」

と、言う返事でしたので、話し合いの結果を任意保険会社の担当者の方に電話をして、相手の男性のいる前で、

「△△さんは、〇〇〇市民病院が行きつけの病院だそうですので、そちらの、整形外科を受診をされます。申し訳ありませんが、ご対応を宜しくお願い致します。」

と、整形外科を受診する旨を伝えました。

それと、警察官が現場に来られる前に、男性が自分の持病の説明を私にした後、私は、脳梗塞を起して入院予定が有るのに車を自分で運転して来たのかな?と疑問に思って、

「ここには、自分でお車を運転して来られたのですか?」

と、聞いた時に、

「ここには、ATMが有るから、どうしても今日中に振込をしなくてはいけなかったから、車で来たんだ。」

と、説明を受けたのですが、このショッピングセンターから車で1分程度で着く、大手金融機関で、ATMが5台有る様な銀行が有るのですが、そこに行かずに、こんな

2台しかないATMにわざわざ来る必要が有るのか?と言う疑問を覚えたのでした。

警察官が現場に来られて、事故当時の説明を私と相手の男性とでし終わった時に、

「ちょっと、用事が有るから用事を済ませて良いですか?」

と、相手の男性が警察官に言ってショッピングセンターの中に消えて行ったのです。

「先程、今日中に振込をしないといけないそうで、このショッピングセンターのATMに来られたそうです。」

と、警察官に私は男性から受けた事情説明をしたのです。しかし、20分程度戻ってはきませんでした。その間に警察官は私に、

「当事者に依っては、人身事故扱いをしない様な事故ですが、どうしても、人身事故にしたいみたいだから、書類等を自宅に送りますので対応して下さい。」

と、言われました。

また、その間に任意保険会社の担当者から電話が掛かって来た時に、相手の男性が自分の既存の病気に対しても、この事故での影響を調べたいという事を言われた事を、本人の前で警察官に説明して、それで良いのかと質問し、警察官から、本人がこの事故に依る怪我や骨折等を整形外科で証明して頂くだけで良いと言う回答を得たという事を伝えた所、

「そうですか、それは良かった。警察官と本人のいる時に、本人が勝手な事が出来ない様にしてくれたのですね。」

との返事でした。私は、

「あと、警察の直通電話を何も見ずに私に何度も言って電話をする様に促してきた事も、ちょっと普通では無い様に思ってしまったのです。ま、勿論、私の左右確認の最後の確認不足に依って起きた事には間違いが無いのですから、相手を非難しても良い事にはなりませんが、あまりにも引っ掛かる事が多くて、取りあえず警察官と保険会社様には言っておいた方が良いかと思いお伝えしておきます。」

と保険会社の担当者に言った所、

「その大きな野天駐車場って、パチンコ店とショッピングセンターの駐車場ですよね? その人はいったい何をしに来たのですかね?」

と言われ、

「私には、今日中にATMで振り込まなくてはいけない物があったから、振込みに来たという風に言っていて、今、振込に行っているのかも知れませんが、帰ってくるのが遅いですね。」 

「では、後程、経過報告と注意事項等お電話させて頂きますので、今はこの辺で室亭致します。」

と、保険会社の担当者様は、電話を切りました。

私も、学生達の食事の準備をしなくてはいけませんし、相手の男性も大きな怪我などが有るわけでは無かったので、13時40分頃に帰る事になりました。

夕方に、保険会社の担当者様から連絡が入り、

「先ず、相手の方にお詫びの電話をして頂きたいのと、今日の、〇〇〇市民病院での受診では、レントゲン等は撮ってないそうです。尻もちをついたから、シップを貰って未だ痛みが取れないそうです。」

「分かりました。相手の方に、電話を掛けさせていただいて、お詫びを致します。また、何かございましたら、ご連絡を宜しくい願い致します。」

相手の男性に電話をさせて頂いて、お詫びを致しました。

後に、相手の男性が病院で処方されたシップ代を私が実費で支払って、点数を引かれて、青色免許になってしまいました。皆様も、車の運転には特に右折の時などには充分に注意をして運転してくださいね。

とにかく、初めての事故で、よく分からない相手方のどさくさに紛れた言い分に違和感を感じ、押し流されなくて良かったです。

誰でも体験する事では無いと思いますが、こんな事も起こりうるという経験でした。

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ちょっと不思議な体感を体験 山口真代 @Masu3hanjou

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