第2話 アフリカの青いダイヤ

青みを帯びたダイヤの輝き 密林の奥地で 男達がニヤリと笑う

手に入れたのは 大きな塊の青いダイヤ

その美しく高価なるものゆえに密林(ジャングル)で 血の饗宴が始まり

やがて、ダイヤを巡って血の雨に濡れる…


時代は 19世紀末から20世紀はじめ

香りたつ、麗しきの街 パリ


貴族の子弟で、貿易商を営む ジェロームの屋敷では

「日本(ジャパン)からの伊万里の陶器ですが お買い付けして頂きました

お店に届けて済みました


それから、スパイス(香辛料)購入の件は いつも通り手配を完了してます」


「今度 アフリカの為の旅の手配ですが 来週の船で切符を押さえました」


「ん~」寝とぼけた眼(まなこ)でこちらを見てるジェローム

「手配ありがと~ナッシュ」

「はいはい」嬉しそうに笑う まだ二十歳前後の青年

僕も ひさびさのアフリカの大地に クスクス料理にタジンとか楽しみです」


アフリカ生まれで、白人とアラブ系の入り混じったエキゾチツクな綺麗な面立ちに 

流れようなまっすぐな黒髪に白い肌 魅惑的な青い瞳が ジェロームに微笑む


てきぱきと動きながら 

木目細工のミニテーブルに カフェオレとお菓子を手際よく置く


彼の形のよい綺麗な白い指先が躍るように作業していた。


にやけた笑い顔を見せて主人であるジェロームは 

「お前の今晩のドレスは用意しておいたからな」


「・・・・」笑顔がひきつるナッシュことナジム


「あの、体型的にそろそろ女装は無理だと 前回までで・・と」ナッシュ


「いやいやいや・・まだいける」ジエローム

「…ジェローム様」


ガシっと両手を握り

「お仕事だよナッシュ エルド男爵が またお前に会いたいって!!」

「・・・・・」


「大事な取引相手だし 相手は女装のことは知ってるから何にも心配はいらないし」


「心配はないって どうゆう意味でしょうか?」じと目で見るナッシュ

「・・・大丈夫 絶対!二人きりにしないから」

「・・・・・」

「ナッシュ!大事な取引なんだ!女装姿のお前とお茶だけしたい♪との事だ」

「・・・・」


[俺も楽しいし!」


「・・・・」ナッシュの頬が ぴくぴくと震えてる。


「前のパリ博覧会で 日本茶とみたらし団子がうまい!って言っていたろう?

エルド男爵 日本に知人がいるらしくて、 

お前の故郷のアーモンドの木の花に似た サクラ茶に

彼の屋敷の日本の料理人が 和菓子を作ってくれるって!!」


「・・・・」綺麗な青い瞳が大きく開く

美味しい食べ物に 心を動かされたようだった


一瞬 美味しいジャパン(日本)のお菓子に心を動かされ

瞳が煌いたのを もちろん ジェロームは見逃さない


「どうする?ナッシュ」


心が・・ゆらいでいるのがわかる そして瞳はさらにキラキラと・・(食い物に心奪われて・・)


「他にも、お前の好きな故郷のナツメグ茶や干しナツメグに杏も他にも ロクムの菓子とか今度手に入れてやるよ」


決まりだな ふっ・・ジェロームは勝利を確信した。


かくして拷問のようなコルセットで身体を締めて 

麗しいドレスに化粧をしたナッシュことナジム


「ぜいぜい ,ジェロームさま 

僕のコルセットを締めるを楽しんでるでしょう・・ぜいぜい」ナッシュことナジム


「はははは .考えすぎだよ ナッシュ」 (本当は楽しんでいる)


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七夕 とある仏の屋敷で のの(まゆたん@病持ちで返信等おくれます @nono1

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