公園の朝

人間観察

　早歩きをしながら、公園内のジョギングコースを前へと進んでいく。公園のジョギングコースに来ると、様々な人の様子が目に入ってしまう。

　ただ、1人でひたすら歩く人、誰かと話しながら、歩いている人。誰かと話しながら走っている人、犬の散歩に来ている人などが、公園に集まってきている。様々な事情で、公園を訪れていることは分かる。こちらは外見のみで、内情などまるで分らない。

　「ちゃんと、前を向いて、ペダルを漕げ」と父親と小学低学年くらいの男の子が、大きなヘルメットをかぶって、自転車の練習をしていた。父親は自転車の後ろの部分を持って、少しして手を放した。男の子がちょっと走行して、フラフラして、自転車が転倒して、こけると、「危ない」と隣で様子を伺いながら歩いている母親らしき人が叫んでいる。

　その姿を横目に、通り過ぎて、しばらくすると、自転車でゆっくりと走行する人が、通り過ぎていく。一人で話しているように見えたが、たぶん、ワイヤレスで電話しているのだろう。が、傍から見たら、やっぱり変な人に見えてしまう。

　その自転車が急に大きく方向転換して、後から来ていた自転車と正面衝突した。大きくは転倒したようだが、２人ともすぐに立ち上がって、方向転換した人が「すみません」と平謝りしている。

　空き缶を枝でゴルフのように、打っている人。それも大人がやっている。子どもが真似をしないことだけを願ってしまう。さらに、道の真ん中で、キャッチボールをしている人。ボールが当たらないよに、避けて通っていく。スケートボードに乗って、走行する人。子どもと大人の親子なのだろうが、公道では、やらないでほしいと思う時がある。

　そのまま、何事もなかったかのうように、時は過ぎていく。また、公園に設置されているベンチには座って、話をしている人。本を読む人。何かを食べている人。ストレッチをしている人。鳩にパンを撒いている人。だれも同じことをしているわけじゃない。その奥に、自転車を置いて、器のものに、何かを入れている。これは、野良猫に餌だろう。

　見て見ぬふりをして、前に進む。また、犬をベビーカーのようなものに乗せて、押して歩いている人。犬は元気そうにキャンキャン鳴いている。

　「なんで気づかないんですかね」と誰かの愚痴をぺちゃくちゃと、話す年配のおば様方。いかにも楽しそうに話している。

　一周を走り終わって、また、今日の朝の人間観察が終わった。