第5話 side桜
あれから少し話をするとエリカちゃんは、眠たそうにし始めたので4人で家に帰ることにした。
私と忍は海外にもルーツを持つ犬桜財閥の御曹司とその兄妹みたいなもの。
といっても、犬桜財閥の当主が使用人だった私の母に手を出して出来たってだけの話。認知はされているし、私の存在を知った前当主の奥様は、女の子が欲しかったらしく、母と共に歓迎された。その為幼い頃から兄妹のように一緒に育ってきた。
今では、私は学園、忍は施設と病院の運営を任されていて、それなりに好きなことをさせてもらってる。
今回のエリカちゃんと家族になるって話も忍の施設を通して行う養子縁組の話だ。
忍の施設は、私の管理する本部、星空園と一つ坂を挟んで忍の管理する桜の丘園がある。
分かれている理由は、星空園は完全に迎えが来ないと決まっている子たちの集まる場所だ。
両親が何らかの理由、エリカちゃんのような事故などで天涯孤独になった子たちの家。施設と言っているが、実際はただの家だ。
そこには、私と忍、忍の引き取った明日香と希、あと4人ほどの子ども達と一緒に暮らしている。
桜の丘園は、病院と隣接している施設で、病気をもって預けられた子や虐待による怪我なども対応できるように忍が考えた。そこは、何年後には迎えに来ると契約されている子ども達が数名と病気のまま捨てられてしまった子が2人いる。
この施設には基本的に病院側で人を雇っているのでそこに私たちがいる必要はない。
「桜、勝手がすぎるんちゃうか」
ぼーっとしていたら後ろが静かになったのを見計らって忍が関西弁で話し始めた。
忍が関西弁を使うのは機嫌の悪い時って決まってる。
「それでも、やっと見つけることが出来たあの子を他の人に任せるなんてできない。
施設に登録してしまえばいつか誰かの元へいかなければならないじゃない」
「それは、そうやけど、、、」
「忍が引き取るにしたって、離れたがらない兄弟2人を迎えているのにもう1人なんて無理でしょ?」
「、、、」
私がそこまで言うと図星なのか忍は静かになった。
それを良いことに私は話をつづけた。
「だったら独り身の私が引き取る。
引き取って私がちゃんとした子に育てるわ。
あの子の双子の兄も保護でき次第私が引き取る。それでいいでしょう?」
「確かに、あの子たちの本当の親の事を考えたら、遺産の事とかで施設に登録したままだと不安だからと思ってお前にお願いした、、、」
「なら私がちゃんと彼女の相続する遺産も保護する兄に分布される予定の遺産もきちんと管理するわよ。
最初から、私に頼りなさいよ。お互い独り身なんだから」
「そう、やな、、、」
彼女、エリカちゃんにはもう1人同じ日に生まれた兄がいると話では聞いている。
彼も早く見つけてあげたいと私は思う、、、
花が咲くように笑う君を Monet Melvil @kin_moku_sei921
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