――亡くなった筈の父親が浴槽に現れるという奇想天外なスタートからストーリーは動き始める。
父親曰く、この浴槽を通じて三途の川と魔窟が繋がっていると。更に「運命の恋人」が魔物に憑りつかれていると言うのだ。
魔窟から現代へと現れる妖怪達。妖しい影。天狗のお面。鹿のお面……。次から次へと妖怪は「運命の恋人」に襲い掛っていく。
魔窟で出会った方丈老人という謎の人物。彼の案内に従って魔窟を探索するのだが…。方丈老人は現代の文化にも通じているという。彼は一体何者なのか?
魔窟の中で戦うにつれて、過去の仲間達と出会い、そして戦いは熾烈な勢いを増していく。仲間達の過去や、自分の過去に起きた記憶の欠片はやがて紡がれていくのだが……。
毎話、魔窟の状況が変わるのはなぜなのか?黄泉月という巨大な月とは一体?
『蓬莱の比丘尼』と父の居る『宝蓮宮』には一体何が待ち受けているのだろう?
現代と平安時代を結ぶ現代和風ファンタジーは、ミステリー要素を伴って事態は急速に動き始める。
――月窮の姫君は、俺が必ず守ってみせる!
わたしはホラーや心霊ものが苦手なので
最初、ドキドキだったのですが
安心してください。違いました!(≧▽≦)
とても丁寧に作り込まれた物語を紹介させてください。
主人公の男の子の和樹は中学三年生
亡き父が風呂場に現れ
「運命の恋人を護るため悪霊を倒せ」と告げられる。
主人公は悪霊が住む魔窟で闘うことになります。
その魔窟の場所がお風呂を通じた異界だったのです。
行きかたも現代っぽいし、他にも醤油さしアイテム活躍します(≧▽≦)
異界で彼は「神名月の中将」という名だった。
そして平安風の服装を纏い闘います。
なぜ闘うのか、運命の恋人と遠い前世、異界で何があったのか――?
読み進めると心強い仲間も増えて面白いです(*^-^*)おススメします。
正直、「なぜこんなに星の数が伸びないの?」と、不思議に思うほどの秀逸作品です。
世界観の繊細さ重厚感もさることながら、『悪霊まみれの彼女Ⅱ』へと移行し、さらなる深みをみせていく、切なく胸打たれる物語の展開・・・・・・圧巻です!
「ぐっとくる世界に浸りたい!」という方には、特におススメ。
もちろん、登場人物はひとりひとり、魅力満載!
作者様の『近況ノート』にあるイラストも素敵です。
個人的事情(心臓病etc)で身体が思うように使えないため、ゆっくりと読みすすめさせていただいておりますが、落ち着いたらぜひ、初めからもう一度読み直したいです(#^^#)