雪中の戦い
本誠
戦士の手記
白い雄バトをモチーフにされた我を北風が動かした。自然と身を強張せた。心なしか薄く血の臭いを北風で運んでいる気がした。我は北に魔物がいることを知った。だから、クモがそうした理由を理解した。そうか、ついに。
我は余裕があるように振る舞っていると見えているようだ。通りすがりの軍服姿の男たちに
'その場を動かないくせに。'
'よく日和見しているな。'
と言われる。だが、我は決してそうではない。精一杯雄雄しく振る舞っているつもりなのだ。それにまだ平和が優勢であると信じている。いつか我が住処のドアが開かれなければならない。約束のために。
最近、疑いがある。雪を被り錆を背負って明日を、明日を、迎えてきているだがまだ平和は勝たない。戦場という悪魔はまた一人、また一人。野次を飛ばしていた人はまだ戻ってこない。ただ北はより活発な音が響いている。本当にそれなのか。
もちろんドアは音を立てず、我の住処もだんだん。
どんなに勇ましく努力しても我はどうしようもない。北風でどうしたって。彼らがどうしたって。今日も平和が。それでも信じるしかない。平和にすがる今日の我である。庇護者が…。情け無い。
今日は空にクモが…。
雪中の戦い 本誠 @Majw
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