※読みながら感想を書いています。

　「言って」じゃなくて「聞いて」なのか。
　相当おしてくるじゃん。距離感近すぎるよ。

　それ言いたかったのね。って、即ツッコまれてる。たしかに鯨ではない。

　このお父さん面白いなあ。
　ねえ、まだ語るの⁉︎ 付き合ってくれたんだから、勉強させてあげて。

　鯨続いた。言い間違いじゃなくて、ちゃんと意図があったのか……ってお父さん。それが目的なのね。
　なんだろうこの願望の押し付け感は。無理矢理娘さんのメリットをつくってない？


　って、ああああ！！
　タイトルってそういう意味⁉︎
　急にお父さんの見方が変わった。
　これって、単なる親バカコメディじゃないんだ！
　ギャグと思って読んでいたから油断してた。

　まさか感動する方向に転換するとは。



　で、読み終わった感想ですが……「かなり、すごい」です。「余韻がパネエ」っす。

　ぜひ読んでください！この感動を、この驚きを共有しましょう。

ラストの1行は大切です。
ミステリーだったらどんでん返しがあるかもしれません。
おっと、これはネタバレ？
いやミステリーではないから大丈夫なはず。
深海三千メートルオヤジという
キャッチーなワードで締めくくっていますよ。
味わい深い。
ひとによっては嫉妬するくらいナイスです。
レビューになってない？　なってないかー。
そんなこともあるよね。

受験勉強をしている娘・愛海。それにうざったく絡む父親の岳仁。一見凸凹なこの親子には、とある事情が……。
たったワンシーンで、二人の関係と、親子としての絆を感じます。一見、とてもうざい岳仁にも……という場面で、じーんとしました。
言葉にして示しているような愛だけでなく、見えていないところの愛も、伝わっているから、この二人はきっと大丈夫。そんな、力強い肯定感に満ちた一作でした。

　同じタイトルで別々の作者さまが思い思いに物語を書く企画「同題異話」に参加されている作品です。
　今回のタイトルは「鯨よりも深く」という、かなり意味深なタイトル。鯨の雄大さ、光の届かない深い海の静謐さ、そういう感じのタイトルなのかな──と思っていたのですが、ちえさんの作品はちょっと予想とはいい意味で違いました。
　ある意味、全然静かじゃない！　でもそれが素敵！　素直にそう思える作品となっています。未読の方は是非！　オススメの一作です！