鼓動と雨音と

香りを楽しむかのように、まずはタイトルを見渡した後、ひとつひとつの詩を読み進めていった。『雨』という詩の中に、「心臓の音と雨音がせめぎ合い」という一節があるが、まさに、生きようとする心臓の鼓動と、かなしみを誘う雨音とが、すべての詩の主旋律をなしているように思えた。

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