序盤から続く重く暗いストーリーに顔を顰めながらも夢中になって読み進めました。
虐げられた主人公が成功し周りを見返す。ざまぁ ではそのカタルシスこそ読者が求めるものです。しかし本作はそう単純な感想を抱かせてはくれません。
蔑まれながらも努力し己を律する主人公。気高く真っ直ぐな言動は熱い感情と同時に痛ましさを感じさせます。そして彼の気高さを知る人間ほど歪みは避けられない。
暗い予感を感じながらも登場人物の幸せを願わずにはいられません。
まさに深い奈落を見ているようです。その先に光があるのかは、まだ分かりません。
一読すればきっとあなたも続きを待ち望むようになりますよ。