鏡の中の小さな物語
青山有季
鏡の中の小さな物語
「お婆ちゃん……久しぶりだね。そっちでお爺ちゃんには会えた?」
「そっちから見てくれてるかな? 今、私は幸せだよ……」
「お婆ちゃんはダメって言ってたけど、お婆ちゃんも一緒が良かったよ……」
「もう2年になるのに会いに来ると涙が止まらないよ……」
お婆ちゃんと暮らした街……海が見える丘の上でお婆ちゃんは眠っている。ここで私は目を閉じて、手を合わせていた。
やっぱり考えてしまう……あれは夢だったの?
ううん……違う……私は覚えてる……
お婆ちゃんがくれた私の宝物……
私は手を合わせたまま、あの記憶を思い出していた。
「嫌だっ! お婆ちゃん! 待ってよ!」
「私を置いて行かないで!」
「1人にしないでよぉ……」
叫んでも、何度呼んでも目を開けてくれない…私はひとりぼっちになってしまった……
もう10年以上、お婆ちゃんと2人で暮らしていた。お婆ちゃんと一緒の生活、この日常が続いてくれるだけで良かった。
お婆ちゃんは、私を学校に行かせてくれるために頑張って働いてくれた。私は高校を卒業してからは6年間、近くの小さな工場で事務員として働いている。お婆ちゃんは私の為に無理をしてたのか、腰が悪くなってしまい、1日の半分は寝ている事が多かった。私は頑張って仕事をした。頑張って家事もこなした。生活は楽では無かった、それでもお婆ちゃんと一緒に過ごして幸せだった。
そのお婆ちゃんがいなくなっちゃった……
私を置いて行ってしまった……
ひとりぼっちになってしまった……
私にはお婆ちゃんとの記憶しかなかった。両親の顔は写真でしか見た事がない。お婆ちゃんに両親の事を聞いても悲しい顔を浮かべて教えてくれなかった。ずっと疑問に思ってたけど、もう……聞けなくなっちゃったね……
しっかりしないと駄目だと分かってたけど、葬儀で私は……ただ……ただ泣いてるだけで終わっちゃったね。お婆ちゃんに「辛くても笑顔を忘れたら駄目だよ」と教えて貰ってたのに、最後まで笑った顔を見せれなかったね。
葬儀が終わり、じっとしていると悲しみだけしか私と過ごしてくれないので、気分転換も兼ねて荷物を整理していると、昔の写真が何十枚も出て来た。
「やっぱり分からないや……」
両親に挟まれて笑っている私がそこに居た……その写真を手に取って眺めていても何も分からない、何も思い出さない。
幸せそうに笑った私。
私の知らない私が写真の中で笑っているだけだった。
整理していたら古くなった私の作品が視界に入ってきた。
まだ持っててくれたんだ……
小学生の時だったよね……私が作った折り紙の花束…母の日に「いつもありがとう!」って渡したら喜んでくれてたもんね。
「お婆ちゃんに会いたい……」
「何をしても泣いてしまうよ……」
ここは、お婆ちゃんとの思い出が詰まった家だから無理だよ……
「やっぱり笑えないや……」
泣き疲れた私は、やっと眠りについた。
その時の夢だったよね……
夢の中での出来事……でも、覚えてる。
本当にあった事だから…お婆ちゃんからの最後で最高の贈り物だったから…ずっと忘れない。
『……ちゃん』
『ちひ……ちゃん』
『………千尋ちゃん………千尋ちゃん』
私の名前が遠くで聞こえる……
「えっ……お婆ちゃん! どこ? 会いたかった……」
夢の中でも会えた喜びで泣いていた。
『千尋ちゃん。後であそこの引き出しを開けてごらん』
「何? 何? どういう事なの?」
『後で開けたら分かるよ。千尋ちゃんの願いが叶うからね』
「お婆ちゃんと一緒が良い……お婆ちゃ……ん……と……一緒が……うぅ……お婆ちゃん……と居たいよぉ……」
『千尋ちゃん。ゴメンネ……それだけは無理なんだって……』
お婆ちゃんは寂しそうに私に微笑んでいた。
『後で開けるんだよ』
「うん……うん……分かったよ……」
『それじゃ……これで今度こそお別れだよ。千尋ちゃん……元気でね……ありがとうね』
「待って! 待ってよ! まだ行かないで……」
私は涙を流しながら目が覚めた。さっきの出来事が何だったのか分からない……
お婆ちゃんが言っていた引き出しを開けたら手鏡が入っていた。
お婆ちゃんの手鏡だ……お爺ちゃんに貰ったって大事にしてたもんね……私に使ってって事なのかな?
手鏡を見ていると、寝ている間に泣いていたのか、酷い顔が見えた。
「うわ……酷い顔だね……『元気でね』て言ってたし笑う様にするね……元気になるね……」
鏡の中の私に言い聞かせていた。
その時、私の姿が鏡から消えて色んな場面が順番に映る……
えっ? 何? これ何? お父さん? お母さん? 何で……
寝る前に見ていた写真が鏡の中に次々と映り、私は混乱してそのまま意識を失った……
目が覚めたら見慣れた天井が見えた。
さっきのは何だったんだろう。起きなきゃ
私は目が覚めて起きようとしたけど、体が動かないし、声も出せない、視界だけが天井を捕らえている。
ちょっと! これ何? 何で動けないの?
何度試してもどうにもならなかった。ふと私の中から声というより鳴き声が聞こえてくる。
「オギャーオギャー」
何? 私から聞こえてるの? これ……赤ちゃんの泣き声?
「千尋ちゃん泣いちゃったのね」
お婆ちゃんの声だ! お婆ちゃんが若い……
抱っこされながら私は泣いているけど、私であって私ではない……何ともいえない感じ。他人の視界だけ共有してる感じなのかな……
色々試したけどやっぱり自分では動けないし、声も出せない。
視界だけの状態で変な感じがする……これって何なの?
自分ではどうにもならなかったので大人しく状況を眺めるしかなかった。
「お義母さん、交代しますよ」
「千尋~。泣いてるのか~?」
この人達……お父さん? お母さん? 写真でしか見た事ないけど、優しそうだな……
これが夢なのが何かは分からない……でも皆に会えて嬉しいな……
そこには家族4人が揃っていた。
『ピキッ!』頭の中で何かの音がする。
今度は何? 何の音? 訳が分からない何?
目の前が真っ白になり、段々と見え始めて来た。
「あれ!?」
つい大きな声を出してしまったが、そこには手鏡を持った私がいた。
さっきのは何? え……でも……さっきの事を覚えてる……写真でしか見た事のない両親が動く姿、両親の声も……
「お婆ちゃん、これが私に伝えたかった事? 両親の声を聞かせてくれてありがとう。凄く嬉しかったよ」
外は朝になっていたので、そのまま朝食の準備をする。
今日から仕事にも行かないとね。休んでも良いと言われたけど、家の中は1人だし、働いている方が気分も楽だから……
「坂下さん、本当に出てきて良かったの? 休んでも良いんだよ?」
「社長、ありがとうございます。もう葬儀も終わったので、今日から私の日常に戻って来てもらいます」
作り笑いはバレなかったはず……「笑う」って約束したもんね。
仕事から帰宅すると、近所の人達が訪ねてきた。
私へ夜ご飯のお裾分けだった。でも……嘘だと分かってしまう……明らかに数品の全てが一人前ずつ入ってあったからだ……心配かけちゃったな。
寝る前に今日の仕事の事や、お裾分けの事、話しきれない程、お婆ちゃんの手鏡に話かけていた。
良く見ると、鏡には小さなヒビが入っていた。
こんなヒビ……あったっけ?
考えていると、鏡に映る光景が変わり始め視界が白く染まっていった。
え? 昨日と同じ……今度は何なのよ……
目を開けたら子供の声が聞こえた。
「痛い! 止めて! 止めてって言ってるでしょ!」
「うるさい! 別に良いだろ!」
私の結んだ髪が引っ張られている。
うーん……やっぱり動けないし、声も出ない。髪を引っ張られてるけど痛くないし変な感じ……
前回と同じく、視界だけが共有された状態で見ていた。
「あきら君! 痛いから止めて!」
「分かったよ! 行くぞ、ちひろ!」
「うん、早く行こー」
あきら君……小さい頃は……いじめッ子だったの!? それにしても子供の私……切り替えが早すぎない?
あきら君にも強く言ってるし、ハキハキした子だったんだ……なんか……今の私と全然違う……
駄菓子屋でお菓子を買って、公園で2人で食べていた。
自分が食べてるのに視界だけって変な感じがする……これは慣れるのは無理だ……あっ! やっちゃった……
千尋は下に落ちて砂だらけになったお菓子を見て泣いていた。
「ほら! これあげるから泣くな!」
明が千尋にお菓子を差し出していた。
「あきら君……ありがとう」
「さっさと食べろ!」
「うん!」
明くん…でも意地悪と思ったけど、やっぱりこの頃から優しいんだね……
明くん……
私は3年前の事を思い出していた。
私が21才の時だったかな……お婆ちゃんは腰が悪く半日は寝ている状態だったけど、まだまだ元気だった。私は職場の工場から帰宅する所だった。
家の前に誰かいる……誰だろう?
そのまま向かったらスーツを着た男の人がいたので声を掛けた。
「沢村先輩、久しぶりですね。どうしたんですか?」
「おかえり。坂下を待ってたんだ。少し時間あるか?」
「はい、大丈夫ですよ。買物とか家の事があるから、そんなに時間は取れないですよ」
「ああ、そこまで時間は取らせないから」
私達は近くの公園に向かった。
「懐かしいな……ここで昔は良く遊んだな。覚えてるか?」
「お菓子食べてましたね。それだけは覚えてます。それでどうしたんですか?」
「お菓子しか覚えてないのかよ。お菓子落としたら泣くし、お菓子大好きだもんな」
凄く笑われていた……
何か腹が立ってきた……
「何もないなら帰りますね!」
「済まない! 待ってくれ。懐かしくて……つい……な……」
沢村先輩は何か言いにくそうにしていたが、私の方に勢いよく体を向けてきた。
「……坂下……いや……千尋!」
「えっ?」
いつからだったろう……私達は「千尋」「あきら君」と呼び合わなくなった。彼は私より2才年上……中学からだったのかな? 私達は「坂下」「沢村先輩」と呼び合う様になっていた。今では只の先輩と後輩だった。
なので、急に「千尋」と呼ばれ驚いた。
「どうしたんですか急に……沢村先輩。ううん……あきら君」
「いや……もう学生じゃないんだし良いだろ? それよりも話があってな……」
「じゃ、あきら君で……話ですか? そう言ってましたね。何ですか?」
「実は今度、東京本社に転勤になったんだ」
「凄い! おめでとうございます。」
こんな田舎より、彼は都会が似合ってる……もう遠い人になるな……
「それなんだけど、千尋……俺に着いてきてくれないか?」
「えっ? 私っ?」
「そうだ、千尋に来て欲しい。俺と結婚してくれないか?」
「え……」
私は……ずっと明くんが好きだった……だけど、体の悪いお婆ちゃんを置いて行けないし、お婆ちゃんから離れたくない……
私は明くんのプロポーズを断った……3年後、彼は上司の娘さんとの縁談の話があると彼のお母さんが嬉しそうに話ているのを聞いた。
やっぱり思い出しちゃったな……あれ?
考え事をして気付いたら、私達は公園にいなかった。
どこなの? 誰かと手を繋いでる?
「千尋ちゃん、今日のゴハンは何にしようか?」
「カレーライスが食べたい!」
「この前も食べなかった?」
「お母さんのカレーライス好きだもん」
「じゃあ……今日はカレーにしようね」
「やったー!」
あ……あ……思い出した……私はお母さんのカレーライスが大好きだった……何で……何で今まで忘れてたの? 何で……何……で……
お母さんのカレーライス……私ももう一度だけ食べたいよ……
『ピキッ…ピキピキッ!』
また何かが割れそうな音が聞こえた。
これって……この前もあった……夢から覚める音……ちょっと待って! もっといさせてよ! お願い……お母さん……
目の前には整理している途中の写真が見える。
「やっぱり思い出した……」
お母さんと手を繋いだ事、大好きだったカレーライスの味、皆で食べた毎日の食卓……
「忘れた事を思い出したいけど…思い出したくないよ……1人は……嫌だよ……」
「お婆ちゃん……思い出させたいの? 聞いても教えたくなさそうにしてたのに……何で今なの? もういいよ……思い出したら辛いよ……」
忘れていた記憶を思い出す事は本当は嬉しいけど、現実に戻るとやっぱりひとりぼっち……この状況を思い寂しさが増していった。
鏡……また酷くなってる……もう割れそう……
「お婆ちゃん……」
「私の願いは、お婆ちゃんと一緒にいる事だよ?」
鏡に問いかけても返事は来ない。
「ねぇ? 何か言ってよ……」
「なんで何も言ってくれないの?」
手に持った鏡を置こうとした時……違う風景が見えて視界が白く染まっていった……
「えっ? ちょっと……また? 今度は何処なの?」
視界が開けて目を開ける。
うん……分かってたよ……体は動けませんね……
やっぱり動けないし、声も出せない。
視界だけが共有されたまま……
これ……何なんだろ? 慣れたよ……お婆ちゃん……私に思い出させたいんだね……分かったよ……ありがとう……
それで、ここは何処? あ……お父さんとお母さんだ……
レストラン? 私は嬉しそうに何かを食べてる……
「千尋、急いでも盗らないからゆっくり食べなさいね」
「だって、美味しいんだもん」
「あなた、今日は千尋の誕生日なんだから怒らないの」
「怒ってないよ。しかし今日で8才か……千尋……お誕生日おめでとう」
「お父さん、ありがとー!」
「食べたらプレゼントを一緒に買いに行こうね」
「うん! 行くー!」
私は椅子から足が地面に届かないのか、パタパタと振りながら喜んでいた。
こんな事もあったんだ……
嬉しそうだな……
何で覚えてないんだろ……
自分の事だけど、こんな場面を見るとやっぱり辛くなる……お婆ちゃん……こんな所を見せないでよ……
「そろそろ行こうか、母さんを迎えに行ってから買いに行くんだよね?」
「そうよ。お義母さんも千尋のプレゼントを買うのを楽しみにしてたから。一緒に行かないと拗ねちゃうわよ」
「ハハハ……それじゃ食べ終わったし行こうか」
「うん!」
「行きましょう」
私達は父の運転する車に乗り込み、祖母と合流するため車を走らせた。
何を買って貰ったんだろう?
嬉しかったんだろうな……お父さん……お母さん……覚えてなくてゴメンネ……
「この先が渋滞してるみたいだな」
「本当ね、時間は大丈夫なの?」
「ギリギリ間に合うと思うよ。あ……少し間に合わないかな……」
「えー! お父さん! 早く行こうよー」
「千尋……オモチャは逃げないよ」
「だって……早く行きたいもん!」
へぇ……私ってこんな感じだったんだ……お父さん……お母さん……やっぱり凄く優しかったんだね……
「じゃあ分かった。近道しようか」
「うん!」
父は車を迂回させ、遠回りだけど早く到着出来そうな道に車を走らせた。
ふと、辺りを見たら不思議な感じがした。
あれ? 何だろう……変な感じがする……
忘れたけど……
忘れちゃいけない事があったんじゃ……
周りに視線を移し「何だったっけ?」と考えていた。
あ……ここは……
見覚えのある場所……あ……あ……
思い出した……
私が急がせた……せいで……
私が……私が……
何度も……何度も……お婆ちゃんに両親の話を聞いても教えてくれなかった……
その理由が分かってしまった……思い出してしまった……
私は誕生日にお父さん……お母さんがいなくなっちゃったんだ……
だめ……止ま……って……
お願……い……止……まって……よ……
私の……せ……いで……みんな……いなく……なっちゃ……う……
だめ……だめ……だめ……だめ……だめ……
『だめーーーーーーーーーーっ!!』
えっ? 何で? 声が出せた……
そんな事はどうでも良い!
『お父さんっ! そこで止まって!』
お父さんは何事か? と思い車を止めた。
「千尋どうした?」
『はぁ……はぁ……うん……もう大丈夫。遅くなっても良いよ。ゆっくり行こうよ』
その時、またあの音が聞こえた。
『ピキッ!ピキピキッ!パリン……』
何かの割れる音が聞こえ、視界が白く染まる……
どうなったの? お父さんは? お母さんは?
目を開けたら、さっきまでの写真の散らばる部屋ではなかった。
目の前のベッドの上でお婆ちゃんが寝ていて目を覚まし私を見ていた。
「……千尋ちゃん」
「お婆ちゃん!」
私は目を覚ましてくれたお婆ちゃんに声をかけた。
「母さん!」
「お義母さん!」
隣には『お父さん』『お母さん』もいる……
お婆ちゃんは、『じぃー』っと私を見て微笑んでいた………そして………
「千尋ちゃん……良かったね……頑張ったね……」
両親は首を傾げていたが、私には何の事を言ってるのか直ぐに分かった。
「お婆ちゃん……お婆ちゃん……お婆……ちゃん……」
私は涙が止まらなかった。
「千尋ちゃん……今までありがとね……」
その言葉を最後にお婆ちゃんは息を引き取った。
家に帰るとお婆ちゃんの手鏡が割れていた……
最後のお婆ちゃんは、笑顔のままだった。足腰も丈夫で、老衰で亡くなる前まで凄く元気だった事もあり、本当に……本当に満足そうな笑顔だった。
今でもなんだったのかは分からない……
でも、お婆ちゃんと2人で暮らしていた思い出も私の中に残っている。
お婆ちゃんと一緒が良いと言った時、お婆ちゃんは『それだけは無理なんだって』って誰かから聞いた様な感じたった……
お婆ちゃんじゃなかったら誰なの?
お婆ちゃん……神様から聞いたの?
お婆ちゃん……私は今……幸せだよ。
2人で生活していた時も楽しかったよ。
私はお婆ちゃんに手を合わせて、この出来事を思い出していた。挨拶も終わり、立ち上がると私を呼ぶ声が聞こえた。
「ママー! 早くー!」
「千尋、義父さんと義母さんも待ってるよ」
「はーい。今行くね」
娘の美代と、夫の明さんが私を呼んでいた。
娘の美代は、お婆ちゃんが亡くなってすぐに授かった子。お婆ちゃんの名前の「美智子」から一文字を頂いた。
夫と娘の3人で手を繋ぎ歩くと、お父さんとお母さんが待っていた。
「お父さん、お母さんお待たせ」
「千尋、長かったね」
「お婆ちゃんには話したい事が沢山あったんだ……」
私達は5人で歩き出した……
後ろの海がある方向から風が吹いてきて、何か聞こえた気がしたので「何だろう?」と振り返った。
『千尋ちゃん』
お婆ちゃんの声が聞こえた気がした…
「お婆ちゃん……ありがとう……」
私は微笑んで小さく呟き、前を向いて歩き始めた。
『鏡の中の小さな物語』
ううん……違うね……
これは……
『鏡の中の小さくて大きな物語』
これで、おしまい。
――――――――――――――――――――
【あとがき】
ここまで読んでくださりありがとうございます。
数日前から『7年振りに再会した初恋の女の子。僕は君に2回目の恋をする。』を書き始めました。
「書いてみようかな?」から始まり、「この物語が完結したら、もう書けないんだろうな…」「もし書けたら、どんな物語だろう?」と思って浮かんだのが『鏡の中の小さな物語』でした。
「短編なんだし、忘れる前に書いちゃえ」と一気に書いてしまい、私自身で読み返してみても、「伝えたいイメージが伝えきれていないな」と感じてますが、読んでくださった皆様に、少しでも「良かった」「幸せな気持ちになれた」と思って貰えたら嬉しいです。
鏡の中の小さな物語 青山有季 @kamekame0220
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