2021年 6月 6日 A病院療養12日目ーそして退院へー
体温36.5度 酸素量98
例によっては朝4時前には目が覚めてしまう。
スマホでポチポチとゲームをやって、フルーツバスケットというアニメを視聴する。
フルーツバスケット、たびたびヒロインの回想で登場する亡くなったお母さんがすごく良いことを言うんだよね。心に染みる。
朝7時ごろ、朝食前に採血があった。
この結果によって今日退院できるか否かが決まる。
どうか良い結果が出て欲しい。
ベッドのわきでラジオ体操をしたり、ヨガをしたり。
下手したら入院中の方が体を動かしているのでは? というぐらい運動している。
主治医は外来があるが合間に顔を出してくれるのではないか、と看護師さん談。
両親からは退院決まったらすぐにメールしてね、まだ決まらないの? と催促メールがきている。だが、この調子だと報告できるのはぎりぎりになりそうだ。
冷蔵庫を動かすためのカードの残金が残っているが、もし退院になったら同室の人にあげちゃおうかな、と思う。多分清算はできるのだろうけれど返ってきても数百円だし……などと考えていると、正式に退院が決まったよ、と主治医づてでなく看護師から告げられる。やった! 心の中でガッツポーズをとる。
さて、そうなったら、荷物整理をしなくては。
飲んでいる途中のペットボトルのお茶を飲み切って、飲み切れないポカリスエットは勿体ないけれど捨てていくことにする。
同室の人が、電話をしまくっている(本当は規則で電話は禁止されている)
見つかったら怒られるのでは、と思うが、そういう時に限って看護師は来ない。
しかし、この様子だと有名無実な規則なのかな。私も電話かけたいところがあったのですればよかったと思う。
昼食を食べる。退院するのは午後2時と決まった。退院のための書類に記入し、その時を待つ。各方面(仕事先、心配かけた友人)に退院する旨の連絡をした。
顔見知りの看護師さんに退院が決まった、と話すと、申し送りされているのか、みんな、わかっていた。軽口を叩き合って、笑った。
さて、気になる会計は0円だった。(当時はコロナの治療費は全部国費負担だった)それにしても、食費も取られないとは。ありがたすぎる。
タクシーで迎えに来た父はずいぶんスリムになっていた。
聞くと、コロナ前から5kg痩せたという。
私は退院前に体重を測ったのだが、2kgしか痩せていなかった。
あれだけ苦しい思いをして2kgしか……と思う。
冷蔵庫のカードは同室の人に差し上げた。
「先に退院します。あなたが良くなることも祈っていますよ」
というと、感謝され、「お元気でね。私も頑張るね」と言ってもらえた。
病院の正面玄をくぐりぬけると、外の風はとても心地よく、でも、びゅんびゅん自転車や車が走る道路は、久しぶりだからか、なんだか怖かった。
まさか自分がコロナ、しかも変異株に感染してしまうなんて、思わなかったけれど
「まさか」ということは人生に何度も訪れるものだ。
この文章を読んでいる貴方にもきっと。
願わくば、その坂を、私も、貴方も、無事に超えていけますように。
コロナ(COVID-19)と過ごした25日間-ペット同伴可の施設療養と入院の記録- 福倉 真世 @mayoi_cat
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