Epilogue


そしてまた、春が来た。



鳥のさえずりが響き、新たな緑が芽吹いて、地上には陽の光が降り注いだ。



キラキラ光る朝が誰の前にもやって来たのに…彼女に笑顔はなかった。



表面的には変わらない。



家族や仲間と談笑したりして日々を過ごしているし、新たな趣味を探そうと精力的に暮らしている。



でも、心が笑っていないことは彼女自身が一番、わかっていた。



「このままでいいのですか?」



天使は神様に問いかけます。



「かわいそうだよ。こんなはずじゃなかったのに!」



もう一人の天使も言います。



すると、神様は黙って立ち上がりました。



『神様!』



「見ていたのなら分かるだろう。やるべき事はここにはない。」


「どういう…ことですか?」


「ついてきなさい。狂いを取り除く事、それこそが私達の仕事だ。」



神様も天使も、一瞬のうちに消えた。



地に雷鳴が轟く。



神が動くとき、人の知らぬ間に再び運命が動き始めた。


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あなたはだあれ?~First season~ 織本紗綾 @yumesaya89

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