駆け抜ける!王国騎兵隊キャンペーン!
第1話 駆け抜ける!王国設定とPCキャラクターシート!
PL2「で、できたー……」
PL1「こっちもできたわ……」
GM「2人ともお疲れさまー」
激動の時間は終わった。
GMによる圧倒的なシナリオ製作力という荒波は落ち着き、PLたちはキャラクターシートを作り終えた。
だが、キャラクターシートを公開する前に、まずは王国の設定を知る必要があるだろう。
【竜王国ドラクステニィア】
アルフレイム大陸北部に存在する、竜を信奉する国家です。
高い山岳に阻まれ外界との交流は殆どありませんが、ごくまれに山を越えてきた冒険者がこの国に新たな文化をもたらすことがあります。
人口は10万人程度で、人間がやや多いですが多種多様な種族が生活をしています。
竜を信奉するというお国柄から、リルドラケンはやや優遇されていますがた種族と比較した時に差別的ということはありません。
基本的に自給自足ですが、定期的に山を越えてくる商人がおり、彼らの存在はこの国の文化の発展や経済的成長に大きく貢献しています。
【竜王国の領土】
・パンツェ平野
王国の南に広がる広大な平野です。
比較的安全な場所で、放牧や騎兵隊の訓練が行われる地域でもあります。
・カリギリ荒野
パンツェ平野のさらに南に広がる荒野です。
山越えをしてきた人たちが最初に踏み入れる土地であるが、狂暴な動物や蛮族が生息しており危険な地域でもあります。
それゆえ定期的に騎兵隊が蛮族の討伐をしています。
・
祖竜と呼ばれる、この地で神聖視されている特別な竜が住む山です。
基本的には禁足地とされており、山に入ることを許されるのは名誉あるドラゴンライダーとその資格を得た者、竜への捧げものを届ける神聖な部隊など限られた者だけです。
山の奥には洞窟があり、その中に祖竜が大地を見ながら寝そべっているといわれています。
・大竜門
王国の出入り口にあたる大門です。
王国をとりまく大きな壁と一体化するようにして口を開く堅牢な砦という側面も持っています。
この国の最終防衛ラインであり、ここを突破された時が竜王国の終わりであると言われていますが、勇猛な騎兵隊の力で未だ破られたことはありません。
【竜王国の用語】
・騎兵隊
竜王国直属の兵士の中でも最も名誉ある兵士たちです。
彼らは己のパートナー(騎乗)と心を通わせ勇猛に戦う国のヒーローでもあります。
機動力が高いという特徴からか、遠方での出来事には決まって騎兵隊が駆り出されます。
現在の人数は500人程度です。
・祖竜
王国の北、代祖竜山に住むといわれる特別な竜です。です。
竜王国の人々はこの竜を信奉しており、定期的に捧げものをしています。
情報が少ないですが一般に知られていることとして、この国を守護する神聖な存在であり、伝説の英雄が現れる時にその力になるという言い伝えがあります。
・ドラゴンライダー
騎兵隊の中でも特別に、竜に騎乗する者をそう呼びます。
これは国の宝であり、決して折れない最強の剣であると言われています。
定期的に騎兵隊のメンバーは選抜試験を受け、合格した者が大祖竜山へ竜を授かりに行きドラゴンライダーになると言われています。
現在の人数はたったの1人で、彼ももうすぐ引退するという老齢の人間です。
GM「というわけで、2人には頑張ってこのドラゴンライダーを目指してもらうわけだね」
PL1「サプリのエピックトレジャリー読んでると、ドラゴンライダーになるだけなら最低でもライダーが4レベルあれば良いのか」
GM「あ、それね、今回は気にしないで。レッサードラゴン目指してもらうから、最低でも13レベル必要になるから」
PL1「13レベルって遠い話だなー……」
GM「じゃあ、次にNPCね」
【代理竜国王】イグニア・E・トライツェヘ
リルドラケン/男性/67歳
「また騎兵隊の出番か。最近は頭を悩ませることが続いているな…」
現在の竜王国の国王です。
即位は50代の頃で、前王の病死によって急遽即位しました。
元々は政府高官の身分でしたが、民衆からの評判がよく代理国王に即位しました。
彼は国の事についてよく理解し、民衆の生活に心を砕く良き王であることからこのまま正式に国王になることを望む人々がいる一方、正当な血統に国王になって欲しいと願う人々もいます。
【小竜王】ドラクス
人間/男性/11歳
「僕はこのままでいいんだ。その方が平和じゃないか」
病死した前王の息子で、国を背負う立派な男になるようにと国名を背負わされた少年です。
彼本人は極めて人柄も良く探求心に溢れ知的と為政者の器であるともっぱらの評判です。
しかし、現在の代理国王の手腕に国の全てを任せており、ゆくゆくは正式に国を譲ることも視野に入れています。
政治派閥ではこれを善しとしない純血派が存在し、何とかしてドラクスを国王に即位させようとする動きもあります。
【ロンリーライダー】カイニアス
エルフ/女性/275歳
「後継者が欲しいと思っているところなんだが、お前の血はどうだろうか?」
竜王国唯一のドラゴンライダーであり、騎兵隊の総隊長です。
もうじき前線で戦えなくなることを憂いており、後継者として新たなドラゴンライダーや配偶者を求めている…とよく噂されています。
彼女の相棒は祖竜から授かったレッサードラゴンです。
PL2「小竜王きゅん……ッ」
GM・PL1「「………………………」」
PL2「やめて!?黙らないでくれる!?」
GM・PL1「「いやぁ………ちょっとぉ……」」
現場に何とも言えない空気が流れる中、GMは空気を変える様に続けていく。
GM「じゃ、じゃあこういう設定の舞台になるから、2人ともキャラシ見せてくれる?」
PL1「ほいほい。じゃあ、俺のPCはこれだ!」
【名前】アダマス・クック
【種族】ティエンス
【生まれ】神官
【年齢】218歳(実質18歳)
【性別】男性
【技能】プリースト(奈落の盾神イーヴ):3/セージ:2/ライダー:1
【経歴表】「濡れ衣を着せられたことがある」「忘れられないほど美味しい物を知っている」「何かの大会で優勝したことがある」
PL2「濡れ衣を着せられた事があって、美味しい物を知ってて、何かの大会で優勝した人……?どんな人なの……?」
GM「経歴表振りなおしても良いよ?」
PL1「いや、それはそれで負けた気がするから、このままで設定考えた」
【アダマス・クック設定】
218歳の男性ティエンス。
200年前に汚職していた当時の上司をぶん殴った際、濡れ衣を着せられて投獄。
投獄中はティエンス特有の仮死状態になっていたが、その結果公的には忘れ去られてしまうことになる。
200年後の現在になり牢獄で囚人たちに半ば伝説扱いされていたが、ぶん殴った当時の上司の罪が諸般の事情で発覚した事で、仮死状態からも冤罪からも解放されてシャバに出た。
シャバに出た勢いで空腹抱えて出場した大食い大会で優勝をかっさらい、「200年振りの飯は美味いっすね!」は伝説のコメントとなった。
200年前に通っていた定食屋は既に消失しているため、当時の味の再現を日夜試みている。
PL2「シャバに出た勢いで大食い大会優勝はずるいでしょ(笑)」
GM「なるほど、200年前に汚職上司を殴っちゃったんだ?どんな事件だったの?」
PL1「そこはまだ考えてない」
GM「じゃあ、国の歴史に盛り込んじゃうね」
PL1「おっとぉ!?」
GM「作ってる間に、PL2のキャラシをどうぞー」
PL2「はーい!」
【名前】ティペンドラ・サルワト
【種族】リカント(リカオン)
【生まれ】軽戦士
【年齢】15歳
【技能】フェンサー:4/スカウト:1/エンハンサー:1/ライダー:1
【経歴表】「大きな挫折をしたことがある」「大切な人と生き別れている」「未だ叶わない夢がある」
PL1「15歳って若いと思ったけど、ルルブ確認したらこれで成人なのか」
PL2「リカントは寿命も50歳くらいだしね」
GM「リカオンってどんな生き物だっけ……?」
PL2「ハイエナっぽい動物だけど、ティッピーはハイエナと間違われると怒る子だよ」
PL1「もう愛称を定着させようとしてるのか(笑)」
PL2「設定は全然決めてないけど、こんな感じー」
【ティペンドラ・サルワト設定】
リカオンのリカント。
仲間思いな性格であるが、敵と判断すると一切の容赦をなくす。
得意料理はネギトロとアジのなめろう。
PL1「君はフェンサー技能で何をするつもりだ」
PL2「ネギトロめいたものを作る」
GM「滅茶苦茶聞き覚えのあるフレーズ(笑)」
こうして、PLコンビの作ったキャラクターシートは出揃った。
ここでGMが更なる動きを見せる。というか、キャラクターシート公開中に動いていた。
GM「はい、じゃあ国の歴史もできたから見せるね」
PL1「早いんだってぇ!!」
【大魔災】
約200年前に竜王国を襲った蛮族の大侵攻。
何者かが大竜門を内側から開き蛮族を招き入れてしまったせいで市街地を含む多数の地域に大きな被害が出た。
死傷者は国全体で数万人に及び、戦いは1週間以上続いたと言い伝えられている。
【騎兵隊の歴史】
竜王国の始まりより存在した由緒正しい部隊。大魔災当時は騎兵隊は2000人以上いたのだが、この戦いで死者1800名以上、負傷者500名以上という大被害を受け、今の少数精鋭部隊へ再編制されたという経緯がある。
その代わり一般の兵士の数が大幅に増えている。
【竜王国の守備】
大魔災の当時は「国の危険は遠いうちに潰す」という方針であったので騎兵隊の人数が今よりも圧倒的に多かった。
しかし、突然国を襲った大魔災では市街地に騎兵隊の機動力は役に立たず、通常の歩兵が不足してしまい陣地を取れず大被害を出してしまった過去を持つ。
これを教訓に現在は「大竜門で全てを討ち返す」方針に切り替え、歩兵の数を増やしている。
この教訓から歩兵たちは陣地防御への習熟が高く、大竜門はアルフレイム大陸屈指の鉄壁であるとも言われている。
現在、騎兵隊は遠方の索敵や定期的な蛮族の討伐など、半ば冒険者に近い仕事をしているのが現状である。
PL1「俺のPCが汚職上司を殴って、濡れ衣着せられて牢屋の置物になってたせいで、一つの国に悲劇が生まれてしまった」
PL2「やっぱりGMは化け物だよぉ……」
GM「せめて卓修羅って言って」
兎にも角にも、キャラクターシートは揃い、そして舞台の設定も整った。
であるならば、実際にセッションを始めるのみである。
2人の新人騎兵隊隊員の未来はどうなるのか!
全ては高レベル帯未経験PLたちと、卓修羅GMの手にかかっている!!
次回!駆け抜ける!「コボルド密入国!」!
駆け抜ける!ソード・ワールド2.5リプレイ! 逸環 @ituwakun
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。駆け抜ける!ソード・ワールド2.5リプレイ!の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます