ひかり

バブみ道日丿宮組

お題:ひねくれたモグラ 制限時間:15分

ひかり

 陽の光を浴びれば、すぐに立ちくらみをすることから彼女はモグラ、あるいは吸血鬼と呼ばれてる。

「……しぬ」

「早く着替えて……また遅刻するよ」

 あぅと怪しい擬音を発しながらも彼女はベッドから転がり落ち、ヘビのようにくねくねしながら洋服ダンスへと進んでく。

「僕らももう中学3年なんだから、もう少し普通にしない?」

「普通もなにもあたしはこれが普通だし」

 普通なものか。

 確かに下着で眠る女の子もいるだろう。僕が知らないだけで、世間一般的な女性はそうしてるかもしれない。

 が、それはあくまでも一人の空間で誰も来ないという認識がある種の前提にあることは間違いない。

「僕男だよ? 襲われたりしたらどうするの?」

 んーと唸りながら彼女はワイシャツを手に取る。

「そうなってくれてもいいんだけど、してくれないでしょ?」

「……それは反応に困る」

 いくじなしとぼやいた彼女はスカートを履き、ジャケットを羽織った。

「あたしの下着も裸も毎日見てるのに反応すらしないのは普通じゃないでしょ?」

 すっかり目が冷めたのか、整った表情で彼女は首をかしげてきた。

「いやさそこは抑えるもの抑えてるからさ」

 ふーんと信じられないようなものを見る視線を浴びた。なにが間違ってただろうか……。

「いつか越えてくれるんだよね」

「そういうしきたりだからそうなるかな」

 そうと微笑んだ彼女は僕の手をにぎる。

「ちゃんと掴んでないと誰かに取られちゃうよ?」

「そうだね。それはそれで僕も悔しいよ」

「じゃぁ行こっか」

 彼女の手に引かれるまま外に出た。

 僕は手に持ってた日傘を彼女を覆い隠すように持つ。

「苦しゅうない」

「こっちは気になるけど」

「えーやめたら学校いかないから」

「それは困る」

 彼女の両親にあとで何を言われるのか考えるだけで恐怖だ。彼らが罰として行うことは、僕と彼女の接近。様々な身体の接触を要求してくる。両親たちの前でそれをしなくちゃいけないのだから恥ずかしさでいっぱいだ。彼女は気にする素振りもみせないから強い。

 陽の光に弱いはずなのに、視線という光には負けない。

 彼女は彼女できちんと成長してるのだ。身体つきはもちろんのこと。

「今胸見たでしょ?」

「前より大きくなったかなって」

「んーそうかも。今度新しいの買いにいこうね」

 なにをという前に僕は口を塞がれてしまったーー彼女の唇で。

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ひかり バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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