ぐうたら魔導師の余生

波乱万丈のバトル魔法ファンタジー！

少女少年、彼らを取り巻く大人たち。
皆それぞれにそれぞれを思いやる心を
持ちつつも不器用に空回っていく。


幼き少女は、自身の過去を知り、
葛藤しながらも戦い、
最後まで諦めずに愛、友情に包まれた力を使って、居場所を守り抜いた。

彼らの記憶や想いを犠牲にして――。

彼らの瞳に自身が映る限り、
少女は彼らの潜在下で生き続けるだろう。

あまりにも印象的な書き出しで始まるこの物語。ここからこの結末に転がっていくとは誰が予想できましょうか。

亡き父との約束を守り、とある魔法を封じて生きる主人公の魔導師ミグ。壮絶な最後を遂げた父を看取った彼女は、今度は戦禍に巻き込まれ、親友や敵国兵士とともに他国に逃れます。この三人と、そこで出会った人たちが織りなす人間模様を見守るのもこの物語の魅力の一つ。
そして、再び巻き込まれた戦いの果てにミグは自分の秘密を知り、大切な人たちのために自らの運命に立ち向かっていきます。

舞台は異世界。世界観、魔法ともにかなり設定は練り上げられています。ですが取っ付きにくさはなく、異世界ファンタジーに親しんで…続きを読む

この物語において、印象が最初から最後まで変化しない登場人物はいないのではないでしょうか。
意外な一面が垣間見えたり、意外な特技があったり、立ち位置だったり、いろんな印象がくるくると変わります。
なんなら読んでいて目を回しそうな印象変化ですが、それでも着地すべきところに着地し、彼女らの幸せを願いたくなります。
素敵なお話を、ありがとうございました。