あまりにも印象的な書き出しで始まるこの物語。ここからこの結末に転がっていくとは誰が予想できましょうか。
亡き父との約束を守り、とある魔法を封じて生きる主人公の魔導師ミグ。壮絶な最後を遂げた父を看取った彼女は、今度は戦禍に巻き込まれ、親友や敵国兵士とともに他国に逃れます。この三人と、そこで出会った人たちが織りなす人間模様を見守るのもこの物語の魅力の一つ。
そして、再び巻き込まれた戦いの果てにミグは自分の秘密を知り、大切な人たちのために自らの運命に立ち向かっていきます。
舞台は異世界。世界観、魔法ともにかなり設定は練り上げられています。ですが取っ付きにくさはなく、異世界ファンタジーに親しんでいなくても世界に入り込みやすかったように思います。
まったりとした日常から緊迫した戦闘シーンまで臨場感たっぷりに描き出されており、色鮮やかな光景がはっきりと浮かんできます。何より、目まぐるしい展開が読者の心を掴んで離しません。
物語は終わってしまいましたが、彼女達のこれからの日々が幸せなものであることを願ってやみません。