詩集
街河風火
01. 延焼
燃え尽きろ、と声がする。それに返す言葉はない。
燃え尽きろ、と声がした。それに頷く気力もない。
燃え尽きろ、となお叫ぶ。言葉の意味もわからない。
きっとこの世界には、どこかで炎が燃えていて、しかし僕はそれを知らない。
燃え尽きろ、と叫ぶ声は、果たして誰のものなのか。
燃え尽きろとだけ言われても。考えるのも楽じゃない。
炎は僕を苛むのか。炎は僕を燃やすのか。お前は僕をどうしたい。
お前は一体何がしたい。
疲れ果て目を閉じた時。燃え尽きろ、と声がする。
その声に僕はこう返す。「いつかやる気が出た時ね」
詩集 街河風火 @machikawa_f
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。詩集の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます