第3話



目的地の南沙羅町なさらちょうは上下水道施設は国が公衆衛生の為に完備しているがガスも電気もない、所謂ド田舎であり宿泊施設も一軒しかない。


「…つまりお風呂がないってことよ!!!!!!」


「…はあ…?」


俺の明らかにくだらないと言いたげな顔を睨み付けかおるが続ける。


「良い?海人かいと、女の子はねお風呂が好きなのよ?」


「…ぷっ…かおちゃん女の子って歳でもな…」


ドゴッ


(…お前は勇敢ゆうかんだった…)


腹に重たいパンチを喰らい伸びている蛇ノじゃのめに心の中で合掌がっしょうをしながら薫のぐちを聞き流していると、突然リーダーが顔を覗かせる。


「女の子ではないけど私もお風呂は好きだし、無いのは困るねえ…」


突然の事に目をしばたたかせるが…なるほどそうか…


「……リーダーがそう言うなら困るのかもしれないな…」


「さすがリーダー分かってるぅ!ってちょっと!なんで私じゃ…」


またかおるが騒ぎ出したが無視を決め込みリーダーに近づく。

リーダーは俺の言わんとすることが分かっているようでクスりと小さく笑う。


「薫だって分かっているよ。」


そう言うと蛇ノじゃのめに向かって騒ぎ立てるかおるのほうを向く。


かおるはあの町の人達と仲が良かったからね。受け入れたくない気持ちが強く出ているんだろう。」


「…任務に支障が出なけりゃ俺は何でも良いっすけど…」


ぶっきらぼうに言うとリーダーは優しく微笑む。


「ふふ…海人かいとは相変わらず優しい子だね。大丈夫さかおるはきみ以上に優しくて義理堅いけれど私情は持ち込まない。」


そう言うとリーダーは未だに騒いでいるかおるの方へと行ってしまった。

それはつまり任務外では割り切ることが出来ないと言うことだ。

実際、今までの任務終わりにかおるが独りで泣いている所を何度か見たことがある。


「…優しくなんて無いっすよ…」


だって俺はそれを黙って見つめることしか出来なかった。



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リバーシブル ブルー ねぎ @ng_aoi_ngng

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