第1話 始まり

「…い。おい。起きろー。起きろってば。」  

友の声が聞こえ俺は頭を起こす。見慣れた教室の風景。「…であるが故に古代文明とは…」先生の言葉で一気に脳が目覚めた。どうやら居眠りしてしまったようだ。俺は歴史が苦手なのでいつもすぐにうとうとしてしまい…という感じである。「やっと起きたか。先生にバレなくて良かったな。」友がこっそり声をかけてくる。友の名は久木俊汰。俺の幼馴染みで昔から仲が良いのだ。「ああ。良かったよ。あの先生説教長いからな…。それにしても歴史の授業はいつも眠くなるんだよな…」「お前小学生の時もそうだったじゃん…」「だって同じ音程の声ずっと聞いてるようなもんだよ。まるで念仏。しかも昼飯の後だし。」「お前な…」小声でそんな会話をしているとチャイムが鳴り授業が終わった。「よーし!今日は思い切り遊ぶぞー!」早速俺は荷物を引っ掴むと俊汰と学校を飛び出した。「そういうとこは行動早いよな…」そう言いつつ俊汰も走ってついてくる。

このとき俺はこれから起きることなど予想だにしていなかった…

俺は平崎唯斗。勉強が苦手で運動もそこそこだ。部活は一応縄跳び部になっている…が俊汰が囲碁部なので最近そちらについて行っている。

今日は部活が2人とも無いので久しぶりに遊ぶのだ。「どこで遊ぶ?」「うーん…川沿いの公園かな」そう言った時だった。突如目の前の空間がグニャリと歪み身体が引き寄せられる。「!?」声も出せず引きずられていく俺に気づいた俊汰が手を掴むが、凄まじい力で2人を空間は引きずり込んだ。


顔がくすぐったくなって目を開ける。蝶が飛んでいったのが見えた。「全く…俺は花じゃないっつーの…」そんなことを言いながらあたりを見回すが俊汰がいない。いや、それだけではない。目を覚ます前と全く情景が違うのだ。「ここは一体…」確か俺は川沿いの公園に行こうとして…そうだ!身体が引っ張られて…その後気を失ってしまったんだ。でもとりあえず今は俊汰を探さなきゃ…そう考えて目を凝らすと街が見えた。とりあえずあの街に行ってみよう。俺は歩き出した。

ーそして俺の冒険は始まったー

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蒼き門 @syadou84

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