ふるさと
詩川貴彦
第1話 都忘れ
「都忘れ」
幼い頃に見た
冬の景色です
鉛色の空と
荒れ狂う海と
からからと暴れる
木枯らしにさらされて
希望さえ芽生えず
気配さえ途絶えた
低い軒並みに
薄暗い電灯だけが
やせた路地裏を
頼りなく照らしているのです
二度と戻るまいと
大嫌いな故郷を飛び出して
貧しい故郷をさげすみ
都会の人混みを突っ走って
何もかも失って
舞い戻ったとき
それでも
故郷の海は
厳しくて
暖かかったのです
ふるさと 詩川貴彦 @zougekaigan
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ふるさとの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
如是我聞もどき/詩川貴彦
★3 エッセイ・ノンフィクション 連載中 10話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます