作者は『過程』を追求したい!

結果を早く知りたい読者と、過程を語りたい作者のせめぎ合い。筆者の本音を交えて書かれています。

結局、この読者のいう「小説の質を上げろ」というのは、状況を簡素化しろと言うにほかならない。

作者は『過程』を楽しみ、表現に苦労している。書籍で育った人はそうであろう。
いかにあの先生のような表現を書けるか。子供の頃感銘を受けた『物語』に近づけるだろうか……

だが、声を上げる読者はweb小説で育ったように思える。確かに画面に大量の文字を並べられたら、嫌気がするだろう。
しかし、彼らは図書館やら本屋で、小説を読むなり買ったりすることは稀じゃないだろうか?
今まで積み重ねて来た歴代の『物語』の世界を触れたのだろうか?

これから、書籍も電子化が進み、紙媒体としての『物語』が無くなるかもしれない。
そうなった時、簡素化されていない過去の名作を読んで、
「古臭い、質が低い」
なんて話にならなければ……