とある会社の日常

お題：官能的な御曹司 制限時間：15分

とある会社の日常

　直接的な交流はNGというのが我社の社風。

　とても素晴らしいじゃないか。

　実際にセクハラした上司は次の日に降格して平社員になってるという話だ。

　あとは有給休暇も普通の2倍出る。出社時間は11時からで残業は仕事の進行具合で決めるという形。自社のソフトを持ってることが強みなんだろう。知らない人はいないゲームアプリも運営してるし。

　入社してまだ3ヶ月だけど、すごく環境がいいと言えるだろう。

　こころにストレスがわかない。なんていい会社に入ったんだ。

　という前置きはいいとして、社内には御曹司の裸体の絵画が至るところに展示されてる。

　社長の趣味という話らしいが、とても邪悪に満ちてる。ストレスはたまらないけど、なんていうか見られてる感あるよね、うん。

　確かに顔はイケメンだし、筋肉質の体だから女性からすれば目にいいのかもわからない。だが、男性たる私にとってただのへんたいにしか見えない。同期と同じことをよく話す。

「今度入り口のフロアに銅像が増えるらしいよ」

　ミケラン○ェ○の像か！？　あれのよさも実際のところわからない。絵画は萌え絵ならわかるが、芸術となるとまさに魔法のようで理解が出来ない。

「銅像建設のためにボーナスもでるらしいよ」

　おかしいだろ！　社長自由すぎないか！？

　社内はいろんな会話が流れてる。

　仕事をきちんとしてれば、ソシャゲを進めようが、ソーシャルネットワークを楽しもうが文句は言われない。もちろん会議はあるし、発表会などもあるからきちんとするところはある。

　だが、それ以外はゆるい。

「あのさ、○○の進捗どう？」

「あっ、それなら進んでますよ」

　前の席に座ってる女性社員がこちらを見てた。

　現段階のファイルを転送する。

「おぉいいね。相変わらずエロいタッチだ」

「そうですかね」

「いいよ、いいよ。もっとふとももをむっちりにするとか、下着がちらりしたりとかしたらもっといいかも」

　ソウデスネと生返事をして、自分の仕事に戻る。

　私は原画を描く仕事をしてる。今は依頼があったものを描いてるが普段は何枚も好きなものを描いて提出してる。それが元となってキャラクターを作ることもある。そうじゃなくてもイラストコレクションとして、会社が本を出す。

　ほんと自由だ。社長が子ども好きってところだけを除けば……。