とある国の姫と従者

バブみ道日丿宮組

お題:やば、姫君 制限時間:15分

とある国の姫と従者

「現金好きなのは君がお姫様だからなのかな?」

「キャッシュレス決済じゃどのくらいあるのかわからないじゃないよ。最近の流行りでもあるよ」

「それでも金庫に札束を置くってのはあまりいい考えじゃないよ。防犯対策はしてるといっても、盗まれたらそのまま使われる。強盗犯が少なくなったとはいえ、ゼロじゃない」

「別にその問題はここじゃなくても同じでしょ。金庫ってのは元々お金が入ってるものなのだから」

「確かに金庫という意味合いでいえば、あっちのものもこっちのものも同じだろうね。……ただ、ここにあるのは君の財産だ。なくなってしまえば、収集がつかない」

「そうね。なにもしなければ一生を過ごせるお金があるわ」

「それを奪われるってことも考えたほうがいい」

「でも、あなたがその対策を考えてくれてる。そうでしょう?」

「それはそうだね。万が一ということはないように配置してるよ」

「じゃぁいいじゃない。金庫にあるのはごく一部だし、あなたの給料だって払えてる。何も不都合はないでしょ?」

「あるかないかでいえば、当然ないと応えるよ。それでも危険なことは避けたいと思うのは従者として当然なことだと思うんだけどね」

「かっこよく言ったってあなたが付き人以上なことには変わりないんだよ?」

「伴侶として表立つことはできないけどね」

「やっぱり不満? 私と結婚したい?」

「したくないかしたいでいえば、したいよ。誰のものにもさせたくないね」

「そっか。ごめんね。お姫様だから、王族としか結婚できないの。でも、あなたの子どもは今もこうしてお腹の中で育ってる」

「周りからすると、1人で作ったように思えるだろうね」

「おじさまはわかってるみたい。それでも子どもは嬉しいみたい。自分の孫のように思ってるわ」

「そうであるならば、やっぱり金庫は廃止すべきだよ」

「この国が滅んだらどっちみちお金は価値をなくすわ。戦争はすぐ側にあるもの」

「そうだね。隣国が滅んでる。ここもいつ襲撃を受けるかわからない」

「この国の軍はおじさまがしっかりと育ててる。隣国のようにはならないとは思う。それにあなたが作った特殊部隊もいる」

「国のトップを殺すだけの部隊は最強だよ」

「それで私も殺すの?」

「そうはならないよ。世界に1つだけの国となっても、君はお姫様であり続ける。そうすれば、結婚だってできるようになる」

「そう……なら滅ぼすのもしかたのないことなのかも」

「じゃぁ、そういう指示を出してくるよ」

「いってらっしゃい」

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とある国の姫と従者 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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