最高に気持ち悪い!だからこそ人間らしい!美しい!

まずこの作品を全編通して感じていたのは「キモイ」でした。
一応褒め言葉です、この作品では。
主人公は清純潔白な好青年でも、ましてや犯罪に対して意味もなく憤怒を覚えるような真人間でも無い。
欲求に正直で、どこまでもクズなカス野郎です。
けれど空っぽではなかった。
あるいは、ある意味では空っぽだった。
どこまでも無意味な事実が意味を成して物語を形作って、どこまでも蔑まれるべき主人公はただ無意味にこの後も生活を続けるんだと思う。
どこにでもある物語。
けど、だからこそこれは真実であるとすら思える、そんな訳ないのに。
歪みも美しさも人間臭さも、何もかも馬鹿にしたような、けれど肯定したような作品に思えました。
多分そんな意図は無いだろうけども。
あ、普通に面白かったです。
ついでにいうと普通にオススメです、下ネタが平然と詰め込まれてるけどそんなもん気にしてる暇があったら読んでください。