第8話リンと子供達と

暇を潰しながら村を練り歩いていたある日

リンと子供達が喋っているところに出くわした。


「じゃあやっぱり俺らも狩りをそろそろしたほうがいいよな。リンもたまに行っているくらいだし」


「うーん。でも私も狩と言っていいのかわからないよ。とりに行くのはちょっとした鳥とかだしあとは魚とってきたりとかだけだし。」


「でもそれでも俺たちはやったことないもんな。やっぱり大人の仲間入りするにはちょっとは役に立つっていうのをしめさないとな。」


「でも私たちだけで行くのは危ないよ。」とリンがいう。


なんだか同世代の子達と喋っているリンを見たらほっこりする感じだな。でもなんだ?狩の話?子供達だけで行くのは危ないよな。誰か慣れている大人たちについていくのがいいよな。


「あ!シンジ!ちょっとこっちにきてよ!」


「お!にいちゃんじゃんか!」


とリンと子供達に気づかれてしまい呼ばれてしまう。でもまだにいちゃんと言ってくれるんだな。姪っ子とかだとおじちゃんと呼ばれていたのでなんだか気分はいいな。


「どうかしたか?」

と子供達の輪に入る僕だがなんだかこんな体験正直あんまりなかったので子供とどう接していいか戸惑いもあった。姪っ子がいたがあんまり僕に懐いてなかったみたいだったからしかもこんな子供たちの輪に入るなんてもってのほかだな。


「シンジお願いがあるんだけど。私たち狩に行きたいんだ。でもやっぱり大人がついていかないとだめだとおもうの。だからシンジにたのめない?」


とリンが子供達代表で僕に尋ねた。リンに頼まれたらなんでもやってやりたいとおもってはいるんだけど僕で大丈夫なのか?何かあったときに対処が僕にできるのか?と言った感じで言葉を詰まらせてしまった。リンは何に迷っているのかに気づいたのか


「そんなに危ないような狩に行くわけじゃないし私たちが行くことを許してもらえるのにシンジがついてきてくれたら許してくれると思うの。」


まあ確かに子供たちだけで行くよりはそんなに戦力にはならないだろうが一応僕もいい歳をした大人だ。それが参加したら可能性は上がるだろう。


「危ない狩じゃないんだな?」と一応ねんを押してきく。


「うん!大丈夫!」


「わかった。じゃあ参加するよ。」というとリンが他の子供達にむけていった。


「シンジが参加してくれるって。これで行ける可能性がでてきた!」といったら子供たちは盛り上がった。


「おお!にぃちゃんがさんかしてくれんのか!」


「ありがとー!」


「すいません迷惑かけて。」


と一気に子供たちにかこまれてしまった。

まあ子供に懐かれるのも悪くはないなと思いながらでも狩の手伝いなんて元々の世界にいたらそんな体験なかったので正直不安もある。やはり大人のぼくがしっかりしないとダメだろうしな。


「ちなみにいつ狩りに行こうと思ってるんだ?」


「うーんと準備の期間もあるし三日後くらいに行こうとおもってる。」


三日か少ないなと思いながらやはり事前に他の慣れている大人にどんな感じか聞いておいた方がいいだろうな。


「じゃあシンジ!これから狩に行くのを許可してもらうために村長の家に行くからついてきて!」


「わかったよ。」


といいながら子供達をぞろぞろ連れて村長さん宅に行くことになった。ほんとにぼくがついていくだけで許してもらえるものなのか?やはり村の大人がついて行った方がいいんじゃないかと思いながらまあ村長さんが決めてくれるだろうしとりあえずむかうか。


僕たちは村長さん宅についてリンがまず家の中に入ってその次にぼくが入ることになった。他の子供たちは外でまっていようだ。たあみんなが家の中に入ったら狭くなるだろうしな。

家に入ってもうリンが狩のことを話していた。


「だからねシンジがついてきてくれるって言ってるからいいでしょ?」


と聞いた村長は少し難色を示したがぼくの顔を見て話した。


「リンよ。シンジくんは村の大人じゃない。確かにここ何日かともに過ごしてはいるがまだ村の外にはそんなに詳しくない。そんな状態でシンジくんを連れていってもシンジくんの負担になるんじゃないかい?」


という村長にリンは少し俯きかけながら


「でも・・・でも・・・」


なんだか弱々しく発するリンの言葉に僕はなんとかしてあげたいとおもってしまった。リンのすることをなんとか叶えてあげたい。やっとリンが村の子供達と仲良くなるきっかけができそうなんだ。それを叶えてあげるのがぼくの役割じゃないのか。


「村長さん。確かに僕じゃまだ村のことをあまり知らないし信じてもらえないかもしれませんけどなんとか子供たちがやるって言っていることに協力してあげたいとおもってます。ですのでなんとか許可してあげてもらえないでしょうか?」


「そうじゃなー。この問題は正直わしだけの一存で決めれる問題じゃないからのー。それじゃあ一緒に行く子供達の親たちの許可が取れたら行くことを許可しようじゃないか。もし取れなかったら諦めてもらうぞ。それでいいかいリン?」


とリンに尋ねた村長はなんとか希望の光が見えたのでリンは明るく


「わかった!親たちに許可とってくる!」


と元気いっぱいに返事をした。やはりリンは元気いっぱいの感じがいいな。落ち込んでいる姿はふさわしくない。なんだかぼくも子供にはなんだかんだ弱いんだなとおもう。


「シンジ!いくよ!」


といいぼくの手を取って外にいく。

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孤高な少女と迷いびと もんきち @monkiti5644

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