第7話リンへのプレゼント

僕とカンナはリンの元気を取り戻してもらうために好物である魚をつって食べてもらおうと西の深くにある大きな湖にきていた。


「カンナー。あんまり魚を威嚇したらダメだぞー」カンナは魚を自分でも捕まえたいのか湖の上を飛んでいた。でもカンナはまだ子供とはいえドラゴンだ。魚がびびって逃げるかもしれないからまずこっちが釣れるまで辛抱して欲しかった。


僕は村長さんから借りた大きな竿で大物を狙うべくほとりでヒットをねらっていた。狙ってはいるものの元の世界でも魚釣りはあまり経験がないので何回かもつエサだけ取られてしまっていた。


「魚釣りは根気だという先輩がいたけどこれはほんとにそうだな。」と考えていた。正直ヒットするまですることがないので暇ではあった。


そんなことを考えている時ふとカンナの方を見たらなんと小さくはあるがもう何匹か捕まえていたのだ。さすがはドラゴンだと思うものの人間様の力も見せてはやりたいがこれはカンナ先生にご指導してもらうしかないのかとバカなことも考えるほどひましていた。


その時竿がピクッとして反応があった。

「お!きたきた。でも魚釣りの動画を見た時にちょっとピクッとしても焦ってはダメだと確かいっていたな。」となんとか昔の記憶を捻り出していた。そしてさらに竿の先が引っ張られる感じの時に竿を巻き上げながら格闘することになる。


「おお!これは大物じゃないのか!」と焦りが生じたのかもうちょっとのところで糸が切れてしまった。


「あ!しまった!」と言ったその時にカンナが急降下してきてそのまま僕があとちょっとのところで取り逃した魚を水面からなんと捕まえたのである。


「おおお!さすがカンナ!助かるよ!」といいカンナが近づいてきて捕まえた魚を俺にくれるようだ。カンナは撫でて欲しいのか頭を下げてきた。もう僕は甘やかすくらいにいっぱい撫でてやった。


「よくやってくれたなカンナ!」と言いながらこれでもかというくらい頭をなでた。


「よしよし。これくらいで流石に十分だろう」とカンナはが独自で捕まえてくれた小ぶりの魚数匹と僕とカンナで捕まえた大物一匹いたら十分だろうと思い村長宅に帰ることにした。


「おお。よくこんな大物つれたのー。なんどか経験があったのか?」ときかれ


「いや初めてだったんですけどカンナが手伝ってくれて捕まえることができました。貸してもらった竿のおかげもあります。ありがとうございます。」とお礼をいい


「あと村長さんに図々しいですけどお願いがあるんです。」と僕はこれからの計画を村長さんにも協力してもらおうとお願いをすることにした。


「なんじゃ?」


「今からリンの家に行って料理を作ろうと思うんですけどリンをここの家で足止めをしておいてほしいんです。できたらカンナに呼びに行ってもらいますんで。」と説明をした。リンは村のお手伝いやきのみを取りに行って家に帰る前に必ず村長さんの家による。これがリンの行動パターンっていうのは把握していた僕はなんとか協力をお願いする。


「そんなことじゃったら全然さしてもうよ。リンを足止めしといたらいいんじゃな?」


「はい!お願いいたします!」といいカンナが取った魚を数匹置いていくことにした。カンナも了承してくれたようでそのようにした。



僕たちは魚料理を何品か作りおえてカンナがリンをつれてくるのをまっていた。料理は長らく一人暮らしだったのですることがあったためにできないわけではなかったのでよかった。レパートリーはそんなになかったが村長から教えてもらった料理もつくったり自分たちの世界の料理も作ったりした。


そんなことを考えていた時にカンナがリンを連れて帰ってきた。


「おかえりリン」というと


「ただいまー。なんかじいちゃんの話が長くて帰ってくるのがおそくなった!早くご飯作るから・・・ってできてる!」とリンがびっくりしたようなかんじだった。


「どうしたのこれ?」


「カンナと僕で一緒に魚を取りに行って作ったんだよ!美味しくできてるといいけど。」と味は大丈夫だとおもうけど食べてもらうまで心配ではあった。


「よかったら温かいうちにたべてみて。」というとリンが席についた。


「わー!おいしそう!しかも私が好きな魚づくし!それじゃあいただきます!」と僕とカンナはリンの感想をまった。この瞬間はほんとにドキドキするな。


「すごくおいしいよ!ありがとうシンジ!カンナもありがとうね!」とリンがいってくれた。正直いつもは自分のためだけに作っていたので誰かに食べてもらうなんてことはなかったから美味しいって言ってもらえるのは感慨深かった。カンナもリンのそばに行き喜んでいた。


「でもなんで急にこんなご馳走用意してくれたの?」とリンにきかれ


「カンナがリンが元気がないって言うのを聞いてな。だから元気になってもらうためにカンナと一緒にプレゼントしたんだよ。」


「そうなんだ!心配かけてごめんねカンナ!」と言いながらカンナをいっぱい撫でていた。よかったなカンナリンが元気になってくれて。でもなんで元気がなかったんだろうかと疑問がのこった。


「それにしてもなんで落ち込んでいたの?」


「うーんとね。私が漬けていた漬物がうまくいってなくて。」と恥ずかしそうにリンがいった。なんだこないだのことじゃなくてよかったな。でも落ち込んでいた理由がリンらしいと思って笑ってしまった。


「なんで笑うんだよ。」とリンに怒られてしまった。


「いやなんだかリンらしいなとおもってね。でも深刻なことじゃなくてよかったよ。」


「漬物のできは深刻なことだよ!」と言ったリンをまたカンナと一緒に笑ってしまったのを見てリンがまたおこってしまった。


ほんとにのどかだなー。こんな平穏がいつまでも続いたらいいのにとおもった。

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