道化師の瞳は憧れで溢れてました

@kytkk

第1章 あの日から続いた線路

第一話 輪廻転生


ピピピッ!ピピピ!…、」

 午前7時と60分、部屋中に耳の痛くなるような甲高い音が大きく鳴り響いた。いつもと同じように自分のベッドから起き上がり、写真立てのホコリを払い、1階に降りる。


      ここまではテンプレだ


 朝ご飯は毎日違う。今日は姉の好きだったフレンチトーストと、味噌汁(わかめマシマシ)だよ。

和食と洋食のコラボだ。


朝食を終えた後、すぐさま歯磨きをしに洗面台へと急ぐ…

 

     あの日もこんな感じだった


 身支度を整えた後、すぐさま家を飛び出し、学校へ急いで向かう。

8時30分…これは学校が始まる時間だ、この時間以降に来た者は全員遅刻になってしまう…一部の人には悪い思い入れと恐怖心を抱く時間だ。

 自分の家は学校と近いため、自分の足で走って行かなければならない。…苦痛だ


「…ふう」

何とか今日は遅刻をせずに済んだ。なんだかんだこういうのも案外楽しいものだ。


2年2組、自分はこのクラスになったんだった…この教室自体に入るのは初めてで、クラスの人とも会うのは少なくとも…

      8ヶ月ぶりだ


(なんとも学校に行かなくなった月が8月では無いですか、

 しかし、なぜ8ヶ月も休んでいたのか気になるだろう!)

「…っはッ、」

(だめだ、この記憶は思い出したくない…)

心の中の自分とおままごとをするように、心の中で独り言をしていた。そんなこんなで、教室のドアに手をかざす、、心臓の音が近づいてくるように大きく鳴ってゆく、


「…助けられたとはいえ緊張するなぁ、、」

小さな声でつぶやきながら教室に入り、右側にある黒板に書いてある出席番号見て自分の席の位置を確認し、すぐさま顔を隠すように下を向いて自分の席に速歩きで向かう、周りは自分のことを見ているのかも分からない。

自分の席に着いたとたん、鞄を降ろしてすぐさま席に座る。このときももちろん下を向いている。

8ヶ月ぶりに外に出たので、人と話すどころか顔を見ることすら難し…


???「いやー良かった…ほんと良かった、来ないかと思ってビックリしたよ、、よく頑張りましたね。」


誰かが僕の頭をなでた。突然の出来事に頭が混乱してしまった、とりあえず声のなる方へ顔を向け…


???「でもさ、なんでもう少し早く来ようとしなかったんですか?遅刻ぎりぎりでは無いですか、、バカめ」


「でも半までまだ5分あるし、、遅刻してないからいいじゃ…」


???「だめなの!!、、今日始業式ですよ?!会社で入社初日に遅刻したらだめでしょ!?アタマツカエ!」


言い訳を考えるが、正論を言われて言いにくくなった、

優しく僕を出迎えくれたと思ったら、次は叱って…

 

鮮やかな緑色りょくしょくの髪に甘い目付き、、愛くるしい瞳を守るように四角いメガネをかけている一見大人しそうだが、感情が不安定な女、、そう!この女ぁ!

僕が外へ出ようとしたきっかけの人物、、一様恩人、、


   彼女は 楓 雪奈あき せつな


始まりは入学式、彼女の第一印象は清楚で穏やかな人だと思っていた。


        現実は違った。


どこで道を間違えたんだと言わんばかりの知識と語彙力、

圧倒的な早口で意思疎通や共感を求めようとする行動力、

見た目からは思えないほどの口の悪さ、

これらが重なり合い、ほとんどの人が置いてけぼりになっている。…要するに、周りから引かれて友達が少ない。


     僕も含めてだかな!ハハハhaha…カナシイ


とうとう8時30分になりチャイムがなった。教室にいる生徒は颯爽と自分の席に座る。

…本当は先生が来るはずなんだがなぁ…遅い


あれから少し時間がたったあと、先生らしき人が教室に入ってきた。


「えー少し遅れちゃいましたね…ま、誰でも失敗はするのでね、…ま、とりあえずー…」

       

      !!おはようございます!!

       

教室中に響き渡るほどの声量で一人挨拶をした。中には耳を塞ぐ者もいれば、これが毎日続くのかと言わんばかりに絶望している者もいた。


「…えー私の事はご存知の方もいると思いますが、自己紹介をさせてもらいます。私、忠田 大達ただだ だいたと申します。えー前1年1組の人たちはご存知だと思いますが私、こ く ご を担当させて頂いてます。

えーまぁ、国語の先生、担任として一年間よろしくおねがいしますね。」


そんな先生の自己紹介も終わり離任、着任式にみんなが取り掛かった。


まず廊下に出席番号順で並び、体育館へ向かう。

自分の名前は 大舞 香功おおま こうだから前から7番目だ。


体育館へ着くとそこには、8ヶ月ぶりに見る先生たちが6人も並んでいた。その先生方は「今までありがとう」的なことを言って体育館をあとにした。

 離任式のあと、すぐに着任式が行われた。

着任する先生の中に若々しくきれいな女性がいた。そんな先生に対し…


「おおッー!あの人かわいいなぁ〜先生で美人とか最高じゃん!、…彼氏とかいんのかな?お前はいると思う?」


「あッえ?はい?」


突然振られた質問に同様を隠しきれず声を出してしまった。


「まあ見た感じ1、2年ぐらい彼氏いるんじゃないすかね、」


清 しんはら じん突然セクハラ発言をしたあげく変な質問を問いかけてきたやつだ、彼も入学式のときに仲良くなった?人だ、

 彼は人気者でいろんな人に好かれて周りを囲まれている人物、要するに“ムードメイカー”ってやつだ。


そんなこともあって離任、着任式が終わった。それから、忠田からの配りものや明日の行事に付いての集会があったあと、11時30分お昼時になり下校時刻となった。雪奈が「一緒に帰ろう!」と言ってきた


      あの日もこんな感じだった

     これはデジャブってやつなのか?

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