杭
多賀 夢(元・みきてぃ)
杭
ずらりと並んだ直立した制服
その中で少しくたびれた私
まるで目印にするように
大人は叩く、叩く、叩く
『「反抗期」があなたの病名です
心を矯正せねばなりません
あなたは真っ直ぐ刺さる杭にならねば
立派な大人になれません』
私達は黒く整然と並ぶ一列の杭
一打ごとに足元の亀裂が広がる
大人の頭上にも鎚が下ろされ
そのたびに新たな亀裂ができていく
世界はとっくに曲がってしまった
主のいないピラミッドだ
どこまで行っても叩かれる
いくつになっても叩かれる
私達は大人の幻想
大人は子供のなれの果て
今日も互いに鎚をふるい
現世を地獄へと変えていく
杭 多賀 夢(元・みきてぃ) @Nico_kusunoki
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます