ジャンル小説が持つ特性の、その∞の可能性の最良の一事例

を見せて貰った、と思う。

SF。

サイエンス、フィクション。

嘗て、科学は人類の希望であった。

現代、科学は人類の存在をすら脅かしている、その側面を持つ。

本作はその、科学と人間の関係性の二面性を既にモチーフで示し、
尚且つ癒しと救いとを高らかに謳い上げる形で、
ほぼ最上の解決策を提示する静謐な熱量を孕むアクロバティックな快作である。

SFのみが可能なさしめる力業にして底力。
見事。