第6話 島の全体像

 そろそろ探索を本格的にしようと思う。温泉の部屋に行き湯に浸かり綺麗さっぱりした俺はとりあえず無人島の全体の大きさを一旦把握しておこうと思い【ハウスクリエイト】で部屋を造り、中にエレベーターを設置。それに乗り込み島の全体が見れる高さまで上昇させた。上昇中様々な魔物達に遭遇した。群れをなす鳥型の魔物、龍やドラゴンも遠くに見えた。初めて見る俺の知識にはない姿の魔物もいた。想像以上に人外魔境なのかもしれないな。


 全体が見れる高さまで上昇しきり空の上から見る島は簡単に言うと長い六角形みたいな形をしていた。エレベターを囲う様に部屋を作成しエレベーターから出る、ここを観測室としよう。スキルで観測室に部屋の能力を設定し、島を観測してみた。細かい数値は省き大体の大きさを観測室に作成したモニターに表示。約20平方㎞結構でかいのか?数字で見てもわからんな。ただ、実際に目でみてみるとそれなりに大きいのでは無いかと思われる。


 観測室の機能で遠くをズームして見たり、見える範囲にいる島にいる魔物を観察したりしている。普通に面白い。本当に様々な魔物がいて多種多様な生態がこの島にはあるようだ。


 島には大きな山が二つ、二つの大きな山から流れる川が合流してできたおおきな川が一つそして大きな湖が一つある。他は特に特徴的な物はここからは見当たらない。

 そしてあきらかにここの四カ所には強そうな魔物達がいる。その内の1カ所が明らかにおかしい。そこは大きな山の一つの天辺にいる一体。そいつはあきらかに大きくて立派な玉座みたいな豪華な椅子に座っている。そもそも玉座なんて現実では見たことも無いんだが、そうとしか表現ができない。


 見た目は椅子に座っているんだから、当たり前だが人型で顔は竜みたいだ。竜と言っても生々しい竜ではなく、機械竜とでも言えばいいのか、皮膚と言うよりはコーティングされた表面といった方が納得がいく見た目だ。全体的に銀色の体表で所々黄色く輝いている。めっちゃカッコいい。


 そしてかなりでかい。立ったら五メートルぐらいあるんじゃないのか?


 ただ一つ引っかかる所は、本当に山の上にポツンと玉座だけあって、そこにその竜?竜人?が座っているっていう、ちょっと変な状況な所だ。そう、変なのだ、そいつは一体で、周りには臣下らしき者もいないし、建物もない。しいていえば、山のてっぺんのわりには何だかちょっと整地されてて平らだなって思うぐらいである。



 そんなに立派な玉座があるなら立派な城が在っても、いやむしろ無いと不自然だ。


 ここで俺がラノベの主人公みたいに、この竜と仲良くなって玉座だけじゃ可哀想だな、こんなに立派な玉座があるんだし。竜くんキミ、めっちゃカッコいいんだから君に合う城を俺のスキル【ハウスクリエイト】で作ってあげるよ!急に知り合った人に、凄いフレンドリーな感じで話しかけて、こんな流れになるんだろうけど、残念ながら俺はラノベ主人公ではないし、一般ピーポーな訳で、更に言うと人見知りな訳だから、観察はするけど、話しかけたりは出来ないわけで。いや、転生してるし、そこは普通じゃないし、ラノベ主人公みたいだけども。そもそも話しかけて友好的に行くかなんて分からんし、姿あらわして急に攻撃されたら終わりだしな。まぁ、姿あらわすとしても家の中から姿だけ相手に見えるようにして話しかけるけども。いやぁ、俺が竜くんの立場だったら急にあらわれた、人間に城がないから俺が家建てるよって言われても、怪しいし余計なお世話だとしか思わんしな。言葉も通じるかも分からんのにそんな度胸はない。そういうことができる日本人ではないのだ俺は。ということで近くで観察しますか。

 


 


 近くで見るとやはりでかいし迫力あるしカッコいい。至近距離で見るからこそわかったのだが、何だかこの竜くんの周りに紫電が発生している。完全に強者のオーラが半端ない確実に強者である。玉座みたいなのに座っていることから王様みたいな存在なのかも知れないとは思っていたが、もしかしたらこの島の王的な存在なのかもしれない。 玉座も何ならめちゃくちゃカッコいいし絶対に希少な物で出来てると思われる。


 うーん、近くに来てもやっぱりバレないし、これ貰ってもいいかなぁ?


 

 

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異世界ハウスクリエイト 紺七 @cocoa7tonbo

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