第5話 便利なスキルだなぁ
一通りできた家を見てきた。最初にいた寝室には三つ扉があり一つは綺麗な洋式トイレに、もう一つは大理石でできた高級感溢れるお風呂場。最後の一つは通路に繋がっていた。通路の先にはまた扉が何カ所付いていた。旅館のような玄関からは始まり、真っ直ぐ伸びる通路はえんじ色のカーペット。扉は左右に二つずつに玄関から正面、通路の奥に一つある。
玄関から入ってすぐ左の扉が畳が10畳の部屋に小綺麗なテーブルに座り心地の良さそうな座布団、奥には今時のキッキンがあり冷蔵庫もついている。
一つ奥の左の部屋は和風な風呂場になっていて脱衣所から始まり、屋内に三つ、屋外に二つ浸かる湯があった。
右側の初めの扉は保管庫となっており入ってみると、さらに食料庫と素材庫に分かれていた。今まで集めていた食料や適当に回収していた物はここに保管されていた。
こんな感じの内装である。なんとなくイメージしただけなのだが、できた物は想像以上にイメージ通り、いやイメージ以上のできだった。【ハウスクリエイト】便利だなぁ。
あと想像通り電気もつくし水も出た。さらに言うと食べられる食材と食べられない食材の判断もできた。部屋にそのまま食べられる物なら電気点灯、食べられない物は消灯のままと機能を付け判別し、それから食べられない物も調理すれば食べられる物と、そうで無い物とまた区別し調理方法についてもまた火を通せばいいのかとかなどなど、思いつく限り試し区別した。今後回収するときは勝手に区別したところに保管されるよう機能を追加した。
便利だなぁ。
ーーーーーーーー
今俺は最高の気分である。最高のベッドで目覚めそして適当に拾っといた大豆みたいな実。まんま大豆の実と呼ぼう。この大豆の実割るとヤシの実みたいに中には飲める液体が、しかも味はまんま豆乳である。それも調整されている味だ。豆乳大好きな俺にとっては最高な飲み物である。
今日は記念すべき無人島生活二日目である。さてこれからの大まかな予定をざっと計画してみよう。
そもそもなぜ無人島に来たのか、面倒ごとを避けるためである。転生しました。はい、すぐにトラブルに遭ってピンチです。みたいな事にならないように俺は無人島に転生したし、スキルも【ハウスクリエイト】にしたのも自分だけの空間を得るためでもあった。もちろん無人島で窮屈な生活がしたくないって言うのが大部分の理由でもあるのだが。まぁこのことはいったん置いておき。無人島に来たのはトラブルや面倒ごとを避けるため、そして誰にも邪魔されないように力を付けること。
異世界転移や転生物の多くは序盤にトラブルに巻き込まれるのが基本である。もちろんここは創作の世界ではないし俺は主人公でもない。しかしだからといって何も準備しないのは違うと思うんだよね。だってここは異世界で魔物もいる、日本みたいに安全でもない。それに他にも転生者がいるって神様も言ってたし、そいつが良いやつか悪いやつなのかもわからないのだし。もっと言うとこの世界の人たちの価値観もわからん。もしそんな人たちと対立したとき自分に力が無いと何もできない。力尽くで従わされるかもしれない。だからこそ力を求める。力さえあれば大抵のことは乗り越えられるのが地球とは違うこの世界であるのだと思う。あとは面倒なことはしない。主人公ムーブはダメ絶対。目立たなく生きよう。
「はぁ、はぁ、重ッ、体」
今現在俺は家の中で過ごしているのだが、【ハウスクリエイト】で家にいる間は体重2倍になるようにしている。某有名なバトル漫画も重力10倍とか当たり前にしてたしな。だからといって10倍にはしないけど、現実でしたら死んじゃうでしょ、たぶん。
正直これがどのくらいの効果を俺にもたらしてくれるのかはわからんが何もしないよりはいいだろう。あと【ハウスクリエイト】で造った物の中にいれば身体能力が徐々に上昇するほように設定した。他にも魔力上昇、知能上昇、思考能力加速、技術向上速度上昇、等々。思いつく限り自分の能力が強化されるようにした。
ただ、やはりというか、うまい話はどこにでも転がっているわけではなく、上昇は微少となっている。正直これがどのくらいの上昇率なのかはわからない、だが、ないよりはましだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます