これは、死場所を探す男と運命(カード)達の物語

剣士にして殺戮者たるエニシア=レムはある時、一人の少女と出会う。
彼女の名はアイシャ=ワールド。道行く旅人に占いを押し売りし、その報酬として勝手に物を奪っていくと囁かれている占い師だ。
彼女に押し付けられたのは「裁き」の名を戴くジャッジメントのカード。奪われたのは右眼と、自由に死ぬ権利。
カードの化身である少年──ジャッジメントと共に、エニシアはアイシャを追うが、その道中でも様々なカードと出会いを重ねていく。
カード達の、あるいはアイシャの目的は何なのか?
そもそもカードとは"何"なのか?
エニシア=レムはなぜ殺戮者へと至ったのか?

旅路で明らかになっていく秘密と、カード達に振り回される人間達の非喜劇はやがて一つの場所へと集約される。

そうして、一つの物語の終わった後に"世界"の名を冠せられた少女はこう笑うのだ。

さぁ、貴方の運命は――と。