第13話

それを聞いていたホームレスはゆっくりと口を開いた


「なんだよ、そんなに俺の身体が嫌かよ、へっ!そういうオマエさんみたいな気ぐらいの高い女と入れ替わってめちゃくちゃハメを外そうとおもってたのになぁ...。」


もはや、嘘は通じないと思ったのか、女口調をやめたホームレスはニタニタと笑いながら言った。


「おい、あんた、まさか丸腰の相手を撃たないよな?それってたしか...規約違反だよな?」


そうだ...そういえば、教官から何度も釘を刺されてたっけ?


あくまでも拳銃は威嚇のみ、よほどの緊急事態でもないかぎり拳銃は抜くな。


仮に抜くような事があっても安全装置は外すなよ...。


そして発砲は絶対にするな!


場合によってはその場で警官を辞めてもらう...と。


「そうだった、たしかに言われてた」


そう言いながら、山崎ちゃんはゆっくりと安全装置を外した


「え?......おい、なにしてるんだ?」


「なにって?」

パーーーン!


空に銃口を向けて1発銃声がなった


「逃げたら撃つ、脅しではない」


「・・・正気か?」


「これは非常事態だ、俺はそう判断した、これ以上の非常事態はない。」


もはや、その目に迷いも逡巡もなかった


ホームレスは観念した


この時の判断で後に山崎ちゃんは昇進することになる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

change syndrome ハイブリッジ万生 @daiki763

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る