第12話

そのときホームレスがのっそりと起き上がって言った


「え?なに?なにやってるのよ!そいつが犯人よ!偽物よ!騙されないでお巡りさん!」


え?なんだと?


そんな事が...?


いや、たしかにこうなると、見た目では判断できない...どちらかが犯人でどちらかが被害者...。


でもどうやったらそれを知る事ができる?


俺はじっちゃんが名探偵でも、見た目が子供、頭脳は大人でもない...いや見た目は童顔だから子供っぽいとはよく言われるが...などと考えてると旧山崎が言った。


「嘘つき!嘘つきはドロボウよ!そしてドロボウは死刑よ!」


結構めちゃくちゃな事をおっしゃる


「いや、ドロボウだから死刑って事はないでしょ?」

山崎ちゃんはたしなめた


「他の国なら死刑よ!しかも、人の身体を盗むなんて!人殺しより悪いわ!」


それは、なんとなくわかるが...。


すかさずホームレスが口を開く

「みたでしょ?すぐに拳銃を振りかざして殺す殺すって!どう考えてもそいつが犯人でしょ!」


まぁ普通ならそうだが...普通なら。


旧山崎はふぅっと、空にため息をつくと、拳銃を山崎ちゃんに向けた。


山崎ちゃんはたじろいだ...まさか...。



「はい、返すわ」


旧山崎は言った。


「どうせ安全装置かなにか掛かってるんでしょ?あなたに返す、そのかわりその男を逃がさないで。」


「そして、もしも、もう一度、私と入れ替わろうとしたら......私ごと撃って、あんな気持ちは2度とゴメンだもの...。」


山崎ちゃんはゆっくりと頷いた。


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