最終話 最高のパーティで最高の旅を。
教育に費やした二年間はとても有意義だったな。
寄宿舎制なのでみんなに会える時間は少ない。でも十二分に勉強へ集中力を注ぎ込むことが出来る。
たまに帰れるときはミクラと一緒に帰り、一緒に料理を作ったり、キュウとビャクと戯れたりして時間を過ごす。
リフレッシュしたらまた勉学へ。
スタンピードはこの二年で四回発生したかな。冒険者招集がなかったので出向かなかったけど、本当にスタンピードで魔石とスキルオーブを集めてるんだねえ。
運良くスキル「レジテーション」が手に入ったのでミクラが取り込んだ。
これを掛けてもらえば物理と魔法の抵抗力が一段階アップする。ミクラを守る身としてはうれしい限りだ。
「ご卒業おめでとうございます。フィクルさん」
「そちらこそおめでとうございます、ミクラ」
「それじゃあ、行きますか。護衛お願いしますね、フィクル……さん」
「様よりさんの方がよそよそしいと思うんだが……まあいいか。ヤミちゃんはすでにブキョーから脱出している。魔導航空船は検査に引っかかるから使えない。だからヤミちゃんの後をキュウとビャクで追うことになるね。一応行き先には冒険者ギルドはあるようなんだけど……」
「わたしは……私はフィクルとならどこまででもついて行きますよ! 途中で良い金属が手に入ったら指輪を作りましょうね!」
「そ、そっか、そうだな! 頑張ろう! ……って指輪!?」
僕たちは、僕たちを独占的に欲しがろうとしてきたブキョーから脱出。先の見えない旅をすることになった。
苦労もあるだろうし危険もあるだろう。でも僕たちならきっとやり抜けると信じてる。
隣には最愛の人が、騎乗動物は非常に強い二頭がいる。負ける気がしない。
「ここに来るまで色々あったなあ」
「ありましたねえ。でも、今度はここからです!」
つよつよ冒険者パーティにモンスターが強い森で身ぐるみ剥がされて解雇され。
したかなく森を歩いて帰っていたらミクラを拾い。
村で人の優しさに触れ、スタンピードでミクラの魔力が非常に強いことを知り。
王都でつよつよ冒険者パーティの襲撃を受けて返り討ちにして。
熱砂の国サガットをぬけてこのブキョーへ。
ブキョーでミクラのインプラントを治し、逃亡しながら次の国へ。
「雑用戦士とインプラントが無い亜人の子が世界を克服したのは間違いないかな……僕は雑用戦士だけど、ミクラは大魔道士だ」
「なにしてるんですかー? 万能戦士様ー?」
「ああ、今行くー」
これからも苦労は続くだろう。でも二人でならきっとやっていける。
僕たちは、最高のパーティーなのだから。
めでたし、めでたし。
つよつよ冒険者パーティから解雇された雑用戦士と、それに拾われたおきつね亜人の魔法使いが世界を克服していくお話~俺はおきつねちゃんとパーティー組むんだ、もうおまえら要らん~ きつねのなにか @nekononanika
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます