科学テクノロジーが進歩したら『魔法』のようなものは実現するか?というテーマについて真剣に議論したいと思います。
AIはどのように科学テクノロジーを進歩させるか? ~進歩しすぎた科学テクノロジーが魔法のように思えるようになるまで~①
AIはどのように科学テクノロジーを進歩させるか? ~進歩しすぎた科学テクノロジーが魔法のように思えるようになるまで~①
「進歩しすぎた科学テクノロジーはまるで
こう書き出すとそれはまるで新しいSF小説でも始まったのか?という印象を覚えるでしょう。
実際、こういうセリフってアニメとか漫画とかラノベとかでも見ますよね?
じゃあ『
それは
おそらく一般的には
こういう解釈が一般的な気がします。
では、AIはどのように科学を人間たちが理解できない水準まで進歩させるのでしょうか……?
①AIはなぜ人間よりも科学を進歩させることができる?
「AIは学習によりどんどん賢くなっていきます。人間と違って寿命も無いから延々と賢くなります」
確かにそうだと思います。
ただ、AIの知性は人間の知性とはやはり質が違っていて、単に寿命が無く永遠に学習し続けられるから賢くなるということは本質的ではない気がします。
AIは人間と違い、たくさんのデータをいっぺんに処理できます。
しかも高速で。
こういうことを言うと、「いやいや、人間だって一度にいろんなことを処理できるよ?」という返しをしてくる方もいると思います。
実際、人間は自転車に乗りながら、同じく隣で自転車に乗っている友人とおしゃべりをし、なおかつ他の歩行者や車とぶつからないように気を付けることが出来ます。
人間は自転車を乗る時に身体の感覚からいろいろフィードバックをもらっていてその情報を処理し、分析し、次の運動に対するコマンドを運動神経を通して身体に送っているでしょうし、おしゃべりをする際も相手の声を音声データとして受け取って、それが何をしゃべっているのかを脳みその中で
交通事故を気を付ける際にも、目や耳から入ってきた情報を処理し、それを脳で理解し、理解した内容に基づいて自転車を運動させる際にどのように気を付けて運転すべきかのコマンドを送っていると思います。
これをAIにさせようとしたらたぶん、かなり大変なことになりますよね?
今のAIではまだここまでは出来ないのかな??
ただ、この人間の脳が持っている同時並列処理能力をこと知性に置き換えた時に同じように並列処理ってどのくらいできるでしょうか?
プロの将棋士に同じくプロの棋士と将棋を指させながら同時進行でチェスのプロともチェスを指させつつ、その一方で日本の政策についても考えさせ、新たな政策を提案させる……
これはいくらプロ棋士の脳の処理速度が速いからといってもちょっと無理そうな気がします。
でもおそらくAIはそれが可能です。
②AIの科学は人間の科学と何が違うか?
自己紹介のところにも少し書きましたが、僕自身は大学で哲学と心理学と社会学を少し勉強しました。
社会人になってからも臨床心理学は大学院の科目履修生として一時期勉強していましたし、民間委託のような形で社会学的な調査研究に携わっていたこともあります。
(どんな調査研究をしていたかは身バレにつながりそうなので言及を避けさせていただきますね……)
なので心理学も社会学も科学的なアプローチによって新たな知識の発見をしますので、文系ではあるんですが、なんとなく理系的なことも分かるかなというレベルではあります。
そんな訳でAIが本格的に科学の研究調査をしたらどうなるのか?人間とはどう違うのか?についても考えてみました。
たぶんAIと人間の一番の違いは、AIは科学する時に「
人間は普通、科学的な調査研究をする時に、まず仮説を立てます。
ここは一つ、架空の研究として「人間の食欲には湿度が関係する」というのを調査させることにしましょう。
(いや、この研究はすでに誰かがやって結論も出てるかもですが…… まあ思考実験だと思ってその辺は置いておいてください)
人間はこの仮説を検証する為にまず実験環境を整えます。
これは他の交絡因子が邪魔して純粋なデータが得られなくなることを阻止する為ですね。
※交絡因子の説明はあとで加筆します。m(_ _)m
例えば実験では、被験者にお昼ご飯を食べてもらい、その量やカロリーを計算するとします。
どのような湿度によってどのくらい食べる量が変化するかを調べたいので、事前に一週間、お昼ご飯に何をどのくらい食べ、どのくらいのカロリーを摂取していたのかも調べるかもしれませんね。
あとはその日の朝ご飯を何時に摂るか、どのくらいの量を食べるかによっても変わってきますので、その日の朝ご飯は研究室の方で用意をし、被験者には一斉にそれを食べ、所定時間内に食事も終えていただくようにするかもしれません。
研究データを正確に取る為にお残し厳禁となるでしょうし、提供する食事の量も被験者のBMI指数に基づき、正確に同等レベルのカロリーを摂取してもらえるように調整すると良いでしょう。
このくらいのことをしてようやく正確なデータ取れそうな状況が整ってきました。
よし!いざ実験に取り掛かっていきましょう!
実験は概ね順調です。
実験環境を念入りに整えましたので、なかなか良いデータが取れて「食欲と湿度の関係」について新しい知識が得られそうです。
しかし、ある日の実験データだけなぜか他の日のデータと違う動きをしています。
研究者たちは「う~ん、なぜこの日だけ違うデータが出てくるんだろうか?僕たちは確かに『食欲と湿度の関係』についての知識に手が届きそうだと感じていたのに……」と頭を抱えるかもしれません。
実はその日、実験室では天井の照明が一つ切れてしまっていて普段よりも照度が低い状況でした。
いくつかある照明の中で一つが切れてしまっただけなので、研究者たちもそれが実は実験結果に影響しているとは気づいていません。
そう、おそらく食欲には「湿度」だけじゃなく、部屋の「照度」も影響しているということなのでしょう。
人間の場合、このことに気づければ「食欲と湿度の関係」だけではなく、「食欲と照度の関係」についても知識が得られることだと思います。
そうやって科学は進歩してきたんだと思います。
じゃあ、AIに
そう言えば話は変わりますが、最近、通信速度が5Gに上がりましたね?(最近ということも無いか?)
通信速度が上がることによってインターネット上の情報通信量は飛躍的に上がることだろうと言われていますし、そういうこともあって政府の方でもデジタルなんたら庁でしたっけ?あらたな省庁も設けて本腰を入れて動いていくようです。
時代の流れですね。
実際、5Gに上げるにあたって企業もかなりサーバを増強したという話もニュースで聞きましたし、今後も世間の流れでは通信量を増強していく動きになっていくと思います。
しばらくしたら6Gとか7Gとかって言われる時代が来るのでしょうか?
通信量が増えるということはつまり、それだけ膨大な情報が集まってくるということも意味します。
家電製品は所有者の行動に関するデータを集めるようになりますし、人間たちはますます色々なアプリケーションを活用して自分たちの行動に関するデータを提供していくことになります。
もし十分に膨大なデータが集まってしまったら、たぶんAIたちにとっては
仮説を立てる必要もありません。
交絡因子を排除する為に実験環境を整える必要もありません。
AIはただ膨大な生活のデータを集め、人々の食事を摂る量に何の因子がどう関係しているのかを見ていくことでしょう。
GPSのデータを使えば、その人がどこでいつ食事を摂ったかも分かるでしょうし、ダイエット系のアプリを使っている人ならどのくらいの量の食事を毎回とっているかについて割と正確なデータをAIに提供してくれていることでしょう。
またおうちや飲食店の照明をコントロールするシステムがインターネットにつながっていたらその時、どのくらいの照度の環境でその人がご飯を食べていたのか?も分かるようになると思いますし、その日のお天気情報などを見ればどんな湿度の環境でご飯を食べていたかも分かります。
(おうちやお店の空調システムが湿度を把握して調整しているかもしれないので、たぶんそっちの方が正確ですね。)
こういったことを踏まえた場合、AIはなんの仮説も立てず、何の実験も行わず、ただただ膨大なデータの中で何のデータと何のデータとが連関しているかだけを把握し、新しい知識を得ることだと思います。
人間と違って「照度」という交絡因子が「食欲と湿度の関係」に影響し、実験のデータが乱されるということも無いかもしれません。
むしろAIは最初から「食欲には湿度と照度が関係していますよ?」と返してくるかもしれません。
これがAIと人間の科学の基本的な違いになってくるんじゃないか?と僕は思ったりします。
さて、もっと続きを書きたいところですが、いったん文章がかなり長くなってしまったのでここで切らせていただきたいと思います。
次回は「AIの科学が魔法のように思えるようになるってどういう状況?」という切り口で書きたいと思います。
科学テクノロジーが進歩したら『魔法』のようなものは実現するか?というテーマについて真剣に議論したいと思います。 戀塚千代澄 @chiyozumi
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