少年の夢と成長。そんな「原点」が詰まった良作を久々に読んだ気がします。

村で「騎士団入り」を目指し鍛錬を続ける少年・ルーク。
彼の幼なじみにして、村では最強の実力を誇る、カレットとココノのリヴェール姉妹。特に妹のココノの実力は超弩級!
これは、「出てはいけない村」を脱走してまで外の世界を夢見るルークが、姉妹とともに、襲い来る困難と立ち向かい、成長を遂げていく物語です。

全体的に、バランスがすごくいいな~と思いました。
世界は設定語りに凝り過ぎず、「避獣石」という重要な設定でバシッと物語を刺してくる。
姉妹や同級生によるハーレムっぽい要素はありますが、ルークという主人公は気を遣いながらも自分をしっかりと持っている少年なので、少女たちの個性に押されてかすむようなことはありません。

何より、「少年の夢と成長」がしっかりと書かれているのが素晴らしいです。
ライトノベルって、最初っから最強で、「~だがな」口調の達観した主人公とか、いつまで経っても現状把握の出来ない無自覚主人公が多くないですか?
昔ながらの「自分の弱さを認め、共感しやすい目標を掲げ、そこに向かって邁進・成長していく」少年の姿は、やっぱりすごく応援したくなるんです。
そういう主人公、なんだかとても久しぶりに読んだような気がします。(特にカクヨムでは)

この作品だけでもしっかりと未来に希望を持たせつつ完結していますが、この先の物語をいくらでも引き出せるポテンシャルもあります。またいつか、続きのお話が読めたら嬉しいです。

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