葬処の似姿

麦茶に浮く氷の温み溶け出す

附和は空音ゆえ隘路へ召され

本を燃し、真夏呼びて化せ



氷る泡空へ

熱冷やし、本位を守れ

骸召させ得ぬなきよう

葬処(はふりど)の似姿、満ちてゆけ



さ寝せぬ街に旱星

嗚咽あやす目は夢想なれ

脆く揺らいだ夜を掻き分け

不眠の5℃へ



細き往路へ回り

眠らずにふと明かせば

八千代越え、灯消されぬ夢


みな死んだものを食っている

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いろは歌 悪谷性哉 @sagaya15425

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