編集済
智昭への応援コメント
前話のコメント欄で思ったのですが、ここで分割したのですね?
今回の話は、なんだか奈月沙耶様の作品と似てる気がします。
スリーピースバンドとロックジャズバンドとか、智昭さんからブルーノートのことを教えてもらうくだりとか。
そのあたりは、筆致企画では指定がなかったと思うので、どちらかが真似ているのか、たまたま偶然の一致なのか。
スリーピースバンドだと、私はBOΦWYが好きですね❤(→聞かれてない)
あっ、13歳のぴちぴち魔女っ子ですよ? 念のため。
作者からの返信
BOΦWYが好きなんですか?
ちなみに私は布袋寅泰に似ているとよく言われますwww
奈月様の作品を真似ているつもりはないのですが、そんな風に感じましたか?
彼女の方が先に公開していましたが。
初夏への応援コメント
音楽!
ということで、ずっと気になっていたのですが、どきどきして読みに来れなかったこのお話を読みに来ました!
最初の一文がひどく印象的ですね。
何という始まり。
主人公が歩んできた人生が窺える……。
そして、少女かと思ったらなんとお母さん!
娘がいる!しかもコウコウセイ。……衝撃の事実です。
駅に残してきたということは、はぐれてしまったのでしょうか?気になります。
おまけに曰く付きの喫茶店に入ることに。
でも、雰囲気が素敵です。こういうお店、今は近くに無いんですよね……。
次から次へと起こる出来事にどきどきしっぱなしですよ!
このマスターさん、確実にこの主人公が誰だか覚えていますよね(笑)。
かなりの年月が経っている様ですが、流石です。
歌が好きだけど遠ざかっていた?ここには来たくなかった。でも特等席。
ペンとメモ帳とかは一体何だろう?
常に持っているんですかね?てことは、日常的に使っているのか?
最初と最後で一文が同じなのが、かなり印象的です。
これは過去が気になる!男の名前も出てきたし!
おおおおおおお……。
家庭が悲惨過ぎる……。母親が母親じゃない……。
父親は当然……いませんよね。
そして、問題のお相手!(笑)来ました遂に!
なかなか大人な空気の予感です。てっきり学生時代の思い出かと思っていたので、わくわくします。
雨が印象的な物語ですが、所々に印象的なフレーズがあって素敵です。
こういうセンスは、えーきちさんだなあと思います。
って、昔は両親がちゃんといたのか!
しかも、歌が大好きで、両親に褒められていた。……。
ああ、嫌な予感しかしない……。
私はクラシック畑の人間なので、初めてジャズなどを聞いた時はかなり不思議に思ったのを覚えています。旋律とか。
あのズレが独特に思えて、味のある空気を出しているなあとか。
私はあの音楽は弾きこなせないので、これの良さを引き出せる歌い手や弾き手は凄いなあと思った記憶があります。
だから、主人公!そんな関連付けの仕方で自分を表現しないで下さい!と、思わず智昭と同じ様なことを思ってしまいましたよ!
この智昭さんは主人公の心に寄りそう大切な人だったんですね。
止まない雨は無い。良い言葉です。好き。
って、バンドメンバーの名前が何!?と思ったのはともかくとして(笑)。
音楽ではなく主人公との生活を選んだのであろう彼に、主人公が酷く失望するシーン。
最初、「え。何で」と思いましたが、彼女にとって歌はとても大切で、トラウマだからこそ乗り越えたかった壁なのかなあと思ってしまいました。
そうですか……。父親が最低でしたか……(ゆらっ)。
母親が落ちるのも気持ちは分からなくもないですが、こんな小さな娘がいるなら、母親にももっと「娘は私が守る!(どーん)」くらいの気概を持って欲しかったですね……。
あと、父親はマジで最低なので全員でぶん殴れば良いと思います(笑顔)。
けれど、この主人公、結構自分勝手で、決め付けな部分もありますよね(笑)。振り回さないでと言いながら、結構自分が振り回している感じがまた。
ずっと後ろ向きで暮らしてきたから、余計にこういう思考になるのだろうか……。
この点をみると、「ズレ」と自分を分析しているあたりは結構正解なのかもしれないと思ってしまいました。
でも、歌が全てのキッカケとも言えるので、歌をいつか一緒に歌おうと言ってくれたその夢が砕かれたのは、絶望でしかなかったのかなとも感じ、苦しかったです。
もっと彼と向き合って、色々話し合っていたら違う道もあったのではと思わずにはいられませんでした。
智昭さんも、色々決める前に彼女と話せば良かったのかな、とか。きっと本当に大切だからこその決断だったと思うので……。
人生は本当、失敗の連続。
そして、逃げるから余計に土砂降りの連続……。
って、うん!?逃げ出した後に出産!?
てことは、娘さんはこの智昭さんの娘!?ん!?
おなかにいると分かっていて逃げ出したのか、それとも分かっていない時に逃げ出したのか。
それでまた、彼女への印象が変わりそうですね……。智昭さんも知っているのか?ここに可愛い娘がいますよ!
しかし、彼女は本当に立派に育てたのですね。しかも、きちんと真面目に働いて。
これぞ母親、という愛情を感じました。両親とはまるで違う。素晴らしいです。尊敬します。
彼女が後悔していないのなら、こういう人生もありなのでしょう。
そして、ノートを介した十七年越しのメッセージ。
……彼も元気に音楽を続けていたと分かるのは感慨深いです。
しかも、娘さんの名前「初夏」じゃないですか!(笑)
完全に智昭さんの好きな季節!そして生まれた季節!
そんな素敵な名前の娘さんに怒られる主人公(笑)。確かに。早く連絡はしてあげて下さい(笑)。駅に置き去りにしたって言っていたし。
って!手話だ!
ということは、歌どころか声も出なかったということですか!
なるほど。あのトラウマで、歌どころか声さえ出せなくなったと……。
でも、この軽井沢で偶然とも言える導きで、ようやく彼女の人生も雨が止み始めたということでしょうか。
心因性のものだったら、いつか声も出せる様になりますよね。
主人公がまた、大好きな歌を大好きな人と歌える日が来ることを願っています。
なかなか印象深いというか、いつもと違う感覚の物語で楽しかったです。
主人公に感情移入は出来なかったのですが、それでも一人の生きざまをまざまざと見せてもらいました。面白い!物語にしっかり入り込んでしまいました!
えーきちさんのお話は、読むたびに違う感覚を味わえるので、いつもわくわくしてしまいます。
素敵な物語をありがとうございました!
……ところで、やはりこれからも智昭さんと再会するってことは無いのでしょうか。
もっと大きくなって、それこそおじいちゃんおばあちゃんになってからでも良いので、「そんなことがあったなあ」「ねえ」と語り合ってくれたらなあと思ってしまいました。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
和泉様の読み通り、初夏は智昭との子供ですね。
そして、明子は知っていて逃げ出した。
それは『待ち望んでいた初夏を待たずに』という箇所になります。
そして、和泉様のおっしゃられている通り、明子本人に共感できないのはごく自然の事だとも思います。
普段、読者に共感してもらえるように子供向け作品を書いていますが、今回は共感非共感を捨てて、明子という人物の物語として書いてみました。
その点では、ある意味明子は作者である私から離れて自由であり、人から見ればかなり自分勝手に映ると思います。
しかし、そういった人物は世の中には決して少なくない、と私は思います。
そんな明子にも、明子なりの人生がある。
それを感じ取っていただけたらな、と思います。
後日談としては、和泉様の書かれたような事を考えたこともありました。
もっと別の会わない未来も。
ただそこに私の答えを当てはめるのは無粋かな、と感じたのでこんなラストになりました。
そこから先の明子の人生は、この物語を読んでくださった皆様、そして和泉様に委ねたいと思います。
最後まで読んでくださって、また評価もありがとうございました。
ブルーノートへの応援コメント
これは……泣けますね。最後も驚きました。個人的なことですが、軽銀が懐かしくて冒頭から没入しました。
人の幸せは人の定規で測れないのですよね。よく思います。それもあってとても入り込んでしまった。
あと、名前ーーー!! マスクしててよかった。
うーん、そんなわけであまり気にせず読んでいたのですが、強いて言うなら現実に戻る際の境があっさりしていたような。くらいです。
作者からの返信
みかん様も軽井沢銀座に行ったことがあるんですね。
いいですよねー、軽井沢!
あー、「人の幸せは人の定規で測れない」……まさにそれです!
的確なお言葉ありがとうございます。
名前は、ほら、せっかくいいキャラが生まれたワケですし、ね(笑
現実に戻る際の境ですか。
あっさり……そう、あっさりしてますね。
そうか。どうなんだろう?
入りは確かに胸がギュッとしていますね。
ちょっと考えてみます。
最後まで読んでくださって、また評価もありがとうございました!
ブルーノートへの応援コメント
今日は昼間雨だったので、世界によりシンクロして読めた気がしますが、なかなか重たい話ですね。
明子は、智昭の元から逃げたけど、あのまま一緒にいても幸せになれたかわからないですし、ちゃんと生きて働いて娘を育ててて、エライと思いました。
本人が後悔してないなら、こういう生き方もありなんじゃないかなって。
まあ、そう思うのは、私がまだコドモだからかもしれませんが。
冒頭の雨の降り出しや、ラストシーン、描写がキレイでとても好きです。
でも、一番印象に残ったのは、智昭のバンドメンバーですね。
葉桜のリレー小説、こっそり追いかけていたので (笑)。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
いや本当に本人が後悔していないならアリだと思いますし、きっとこんな女性もたくさんいるでしょう。なかなか物語の主役として上がりにくいだけで。
冒頭とラスト、気に入っていただけたようで何よりです。
で、あのモブの二人組は何気に人気がありますね。Yプロリレーが人気でしたからね(笑
最後まで読んでくださって、また評価もありがとうございました!
ブルーノートへの応援コメント
いやぁ、ひとこと言わせてください。
見覚えのある名前で、雰囲気も何かも飛んでいきました笑
中盤の繰り返される表現に頭がぐるぐるとしてしまいましたが、明子の心情と重なる部分もあったのであれはあれでいいと思います。
基本、心ってまとまらないと思いますので。
でも、始終それだったり、長編だと苦しいと思います。好みがわかれるのでバランスって難しいですね。
ブルーノートの音階も上手く活かされて最後はとても素敵でした。
カフェーの描写も思い出と重なってよかったです。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
見覚えのある名前は、あくまでモブなんですけど、使いどころを間違えてしまったのでしょうか?(笑
明子の心はあれで薄くしてしまうとただ単に共感できないお話になってしまうので。(と言うか、あれでも共感はできないと思いますけど)
あれ以上書くとかなりくどい物語になっていたと思います。
バランスが難しいですね。
確かにもの凄く好みがわかれると思います。
最後まで読んでくださって、また評価もありがとうございました!
ブルーノートへの応援コメント
喫茶店の描写、軽井沢という舞台、ブルーノートの扱い、すべてが感嘆ものでした。
けれど、明子さんが衝撃的でした。
「どうして私の人生は、いつも土砂降りなんだろう?」
おそらく雨が止む選択肢もあったでしょうに、それをあえて選ばなかったのかとも思いました。
お腹の中に子どもがいるのに逃げてしまう。あえて苦労を背負っている。娘が良い子に育ってくれたから良いですけど、えーきちさまがいうようにひどく我儘な人に感じました。
私は共感できませんでしたが、そういう人の話に触れて、ひどく心が揺さぶられるのは嫌いではないです。しばらく引きずりそうですけれど。
えーきちさまの「初夏色ブルーノート」はそんな私にとって影響力のあるお話でした。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
明子自身は間違っていると思っていないので、きっと選択肢なんか見えていないんでしょうね。綺麗に生きようなんて考えていないと思います。
それが正しいのか間違っているのかは人それぞれなので、万之葉 文郁様が共感できないのもわかります。
これって、たぶん世の中にはこんな人だっているのではないでしょうかね?
万之葉 文郁様が共感できない人生を歩んでいる明子のお話。
影響力のある物語になった事を嬉しく思います。
最後まで読んでくださって、また評価もありがとうございました。
ブルーノートへの応援コメント
喫茶店の描写が目に浮かぶようですばらしいと思いましたが、やはりモデルがあったのですね。こういう昔ながらの喫茶店、好きです。土砂降り人生の明子さんが少しズレたブルーノートと重なって、娘の名前が初夏。お題の生かし方がいいなと思いました。
拙作を読んでくださって、身に余るレビューを書いてくださってありがとうございます! コメントもとっっっってもありがたかったです。また後でコメ返しますね。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
私は筆致企画皆勤賞なのですが、一番最初の『明日の黒板』からずっと、タイトルに意味合いを持たせているので、今回も頑張ってみました。
お題の生かし方がいいとおっしゃってもらえて嬉しいです!
最後まで読んでくださって、また評価もありがとうございました!
編集済
ブルーノートへの応援コメント
ちょwwww
こんなところに矢場杉さん!
まじめにコメントしようと思ってたのに、ぜんぶ吹っ飛んじゃったじゃないですか!!笑笑
これもきっとアンコックヘミュオン効果( •̀ㅁ•́;)笑
ええーと。
振り回さないでといっている明子が一番振り回してるのでは――とか。特に智昭。なんも悪くないのに(´∀`;)
自覚はないかもしれないけど、明子は茨の道を選んでしまう自分のことが結構好きなんじゃないかとか。
この、なんと説明したらいいのかわからない、どうしようもない明子の『ズレ』が、わたしにはとてもリアルに感じられたんですが、それはたぶん、わたし自身が抱えているズレと通ずるものがあったからだろうな〜とか。
ほかにもいろいろ思ったはずなんですが、すいません! どっかいってしまいました!笑
あ、そうそう。ほかの方もおっしゃってますが、マスター、かっこええです(๑•̀ㅂ•́)و✧
作者からの返信
アンコックヘミュオン効果は時空のみならず物語も飛び越えます!
や、ユースKも矢場杉もただの名前だけの登場人物ですからね。モブです、モブ。
野々様のおっしゃられている通り、明子が一番周りを振り回していると思います。一言、我がままである。そんな登場人物として描いてみました。
なので、共感できる人もいれば、共感できない人もいる。共感できた人でも、それはある一場面でしかなかったり。
物語を書く時、より多くの人に共感してもらおうと考えながら書くことが多いと思いますし、読者もそれを望んでいる感がします。
そうではなく、私は明子というどこか人とズレた人間を書いてみたかったのです。
人間誰でも感じるような他人とは違うズレ、を。
キャッチコピーでは『人生は綺麗じゃない』しか書いていませんが、最初は『私は綺麗じゃない』も加えようと思ったくらい。
この明子の物語が、共感非共感は関係なく、少しでも野々様に刺さったのでしたら幸いです。
これからはあのふたりの名前を出すのは気をつけます!
パワーワードすぎましたwww
最後まで読んでくださって、また評価もありがとうございました!
編集済
喫茶店への応援コメント
>繰り返しの多用
自分には音楽の一部に感じられました。歌詞を女性の台詞に訳した感じですよね。実際には明子の心情ではあるのでしょうが。
激しい雨音の中で語られる台詞。喫茶店内の映像と雨音を微かなBGMにして徐々にジャズを被せて…… 浮かべると映画っぽいなと思います。いや、MVかな?
>ペンとメモ帳
実は言葉を失っていたから持っていたんですね。一回目に読んだ時は、この小道具に気付きませんでした。
これは個人的な好みになりますが、1話目にもう少し喋れないと判るヒントがあると良かったかな。メニューを指してる他に、もう1つくらい。「あ、もしかして?」と思える場面が欲しかったです。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
繰り返しの多用に関しては少し修正をかけたので、パワーワードのみを残す形に落ち着きました。
以前はもっと多くて、自分で読み返してもちょっと……となってしまったもので。MVっぽいというのは嬉しいです。
今回の話は明子がしゃべれないということに気づいても気づかなくてもいいと思いながら書いたので、確かにヒントとしては少ないかもしれません。
初稿ではペンとメモすらなかったんですよ。
ヒントになるかどうかわかりませんが、差し込めるかどうか考えてみます。
ご意見ありがとうございました。
ブルーノートへの応援コメント
わああああああ知ってる人たちが出てる!!笑
えーきちさんこんにちは!
わたしのブルーノートにレビューをありがとうございました♡
しかし深いテーマですね。
初夏ちゃんのパパは、智昭、です、よね?
明子の土砂降りの人生が土砂降りすぎて、こっちでもうわああああってなりました。
そっかぁ、歌いたいのに自分の声を呪う。たまらないですね。
うわあごめんなさい全っ然言葉にならないです!
でも、なぜかもう一度読み返したいと思いました。
また時間を置いて、ゆっくりと噛み締めながら読んでみたいと思います。
ユースKさんはちゃんとダイナーのマスターになれたんですかね(*´艸`*)
矢場杉さんのその後も気になります。笑
作者からの返信
はて? 知ってる人たちとは?(笑
初夏の父親は、はい智昭です。
智昭が就職先を決めた時にはもうお腹にいました。
綺麗じゃない人生がキーワードです。
ユースKさんはダイナーのマスターになって、おかしな事件に巻き込まれて意味不明の言葉を残しているようです。アンコックヘミュオン効果とか何とか。
矢場杉さんはどこかの劇団でイチャラブ寸前でぱっかーんと割れたとか割れないとか(笑
最後まで読んでくださって、また評価もありがとうございました!
ブルーノートへの応援コメント
一人の女性の生き方のお話として読みました。生育環境のせいなのか、重要な選択のたびにあえていばらの道を選んでいるようにみえる明子さんですが、彼女としては精一杯に考えて、その時々を生きているのですよね。
ただ娘さんには早く連絡してあげてください。笑
作者からの返信
コメントありがとうございます!
あえて茨の道という言葉、言い得て妙だと思います。
正しいとか間違っているとかではなく、自分の行動に責任を取るのは自分であって、自分の人生を誰かのせいにしたくない。
そんな、不器用な女性のお話でした。
確かに、初夏には早く連絡しなきゃダメですよね。
最後まで読んでくださって、また評価もありがとうございました!
ブルーノートへの応援コメント
ああ~……これは切ないです。胸がつぶれそうな勢いです、もう。
どうして私の人生は、いつも土砂降りなんだろう?
冒頭から雨が降り出して、その雰囲気に引っ張られて、そのまま明子の苦しい想いに心を重ねて読んでいるような感じになってしまいました。特に後半は明子の想いが感情的につづられているので、わーっと押し流されて。ちょっと溺れそうでしたが、私はその勢いで一気に読んじゃいました。
私は今回の筆致企画で、明子と智昭の「ズレ」のようなものを書きましたので、特にこのお話は響いてしまったのですが。
二人のズレというか、明子自身がズレている、という解釈と描き方でもあるのですね。周りと少しズレた土砂降りの人生……智昭は怒って否定してくれたのに。ああ、ますますやるせない。
最後には雨が上がって、本当に良かったです。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
いいのすけこ様も書かれていた『ズレ』。
ここに着想を置いている方は少ないですが何人かいましたね。
私はこの『ズレ』に拘ってみました。
もちろん、音楽としてのブルーノートも書きましたが。
wikiにある『アフリカから連れてこられた黒人たちに「ドレミ…」の西洋音階を教えたところ、ヨーロッパ音楽には耳慣れない妙な音程で歌いだした。』というのから思いついて。
明子の生活のズレ、感覚のズレ、最後のセリフの音のズレ。
ここにブルース(私の中ではブルースは人間くさい音楽)を加えて、トータルで題材のブルーノートを表現してみた次第です。
苦しさややるせなさ、その中で人生は決して綺麗な事ばかりじゃないということが上手く表現できていたら幸いです。
最後まで読んでくださって、また評価もありがとうございました!
編集済
ブルーノートへの応援コメント
自分の存在が、壊す引き金になる。
それは智昭の夢しかり、両親の関係しかり。自分のせいだと思っている
反面、「私に背負わせないで」とも思っている。
この矛盾した気持ちが、とても人間臭く思いました。
〉貧しい暮らしは慣れっこだ。そんな些細な事は我慢できるし、自分が頑張ればどうにでもなる。夢をなくしたら生きていけない。
この一文に、とても惹かれます。
そして、思い出ノートが、過去の自分を救うように現れるシーンに、感動しました。皆さん言っていますが、マスターやりよる。このマスター、出来る……!
そして娘さんの名前に、やられた! って思いました笑 え、バンドのメンバー? さあ……。
やまない雨はなく、雨上がりの軽井沢に、しっかり者の娘さんが必死に連絡して、こちらに走ってきてくれることで、今の明子さんも救われたんだなって。
〉スカートがフワリと浮かぶ。足元に流れる雨水が飛び散る。
雨上がりの描写、とっても綺麗でした。
最後の、何とか声を出して歌う描写が来て、ああ素敵な物語だった、と思いました。
コメントを見る限り、「綺麗な部分だけじゃない明子さん」を描きたかったのだろう、と思いました。なので蛇足になるかもな、と思ったのですが、これは一読者の気持ちとして書かせてもらいます。
ほんとに蛇足なので、訂正とかはお気になさらないでください。ただ叫びたい。
妊娠が発覚したのはいつ?
もし逃げ出す前なら、智昭さんは責任を持って結婚しようと思ったのでは?
もし後なら、明子さんは智昭さんに負担をかけないように、ずっと黙っていたのはわかる。でもどっちにしても、
最後の最後まで彼女、「智昭から子供を奪った罪悪感」持ってねぇぇぇ……。
〉私の身勝手で父親のいない子供にしてしまった負い目はあった
って、「好きな人から娘を奪った」負い目は??? その当時は子育ての苦労しか頭になかっただろうけど、浮気した親父のこともあったんだろうけど、でも十五年以上も時間が経ったらちょっとぐらいかすめてもよくない??
好きな人に「お前には夢がある。子供は俺が育てるから」って失踪されたら私間違いなく警察に連絡するか興信所雇うぞ???
あ、でも明子さん、「夢を諦める理由を私のせいにするな」ってちゃんと言って無さそうだな……。智昭さんはいつ、明子さんが逃げ出した理由に思い当たったんだろ……。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
そうなんです。
これって明子はかなり我儘な生き方をしていると思いますし、ここに共感してくれる人は少ないと思っていました。
妊娠したのは、逃げる時にはもう明子は知っていました。
待ち遠しかった初夏を待たずに逃げ出したというフレーズですね。
智昭には話していません。そして、智昭は子供がいる事を最後まで知りません。
しゃべれない明子が智昭と取るコミュニケーション手段は筆談です。
付き合いがあるウチに簡単な手話くらいはわかるようになりましたが。
なので意思の疎通はかなり通常の人よりも少なかった。
智昭が一方的に話すことが多い生活だった。
感情であふれた状態での冷静な筆談はない、と思っています。
たぶん、ぐちゃぐちゃな気持ちの羅列だったことも。
明子は心の綺麗な人間ではありません。
自分の声を呪い、親からも大切にされず、智昭に自分の居場所を求めた夢に夢見る夢子ちゃんです。
子供が生まれてから多少は改善しましたが(母性からくる人間性の成長。それでも娘を置いてひとりで歩き回ってしまう勝手さは残っている)、智昭には一切負い目は持っていません。
智昭が好きだった<<越えられない壁<<初夏を愛している。
本当に智昭の事を好きだったのかと疑わしく思えるくらい感情が変化しています。自分から離れたと言うのではなく、逃げ出した、なので。
これにより、人とズレた感覚をもっている女性として書いています。
キャッチコピーの『人生は綺麗なんかじゃない』の人生は、読者の人生ではなく明子の人生です。
人間臭さよりも、こんな人間いるのか?と思う読み手さんもいると思いますし、もっと酷い人もいると思っています。
これは、過去に何があったのかとかは関係なく。
過去に大変な事があっても立派に暮らしている人はたくさんいるので。
この明子の人間性は、書いたときにかなり反発されるんじゃないかと予測しておりました。共感できない女性の物語として。
肥前ロンズ様の感想はもっともだと思います。
正直な感想感謝します。
明子が逃げた理由は、最後まで智昭にはわかっていなかった。そう想定して書いています。美談として、明子は俺のために身を引いたんだとしたくなかったので。音楽活動は結局好きで続けた。捨てられなかった。
智昭は明子を好きだった。明子が智昭を好きなことよりもずっと。
バンド活動で出せたCDは、いつか喫茶店に明子が現れた時、渡してほしいと智昭がマスターにお願いした。
それが理由であの頃に戻るなんて絶対にないとわかっていながら。
マスターは智昭の意を汲んで、智昭の言葉とCDを渡しただけです。
余計な事は言っていません。
この物語からここまで読み取って欲しいと思ったワケではなく、我儘な明子のズレた人生もまた、ブルーノート(ブルース)じゃないかなと感じて書き上げました。
とても長い突っ込んだ感想をありがとうございます。
細かく読み込んでくださって嬉しいです。
追記
素敵なレビューありがとうございました!
編集済
喫茶店への応援コメント
やばい私の中でウォルピスカーターの『晴天前夜』がリピートしてる……ブルーノートスケール多分使われてないのに……!
〉幾何学模様の白いレンガタイルの歩道
〉新緑の萌える街路樹
〉軽井沢駅の左右に大きく湾曲した白い階段をグルリと下り
軽井沢行ったことないのですが、とても美しい描写で想像しやすかったです。
カフェの描写も最高でした。
〉煤けた木枠のガラス張りの扉
とか。そうだ、煤けたなんだよなーって。
〉ガラス窓を除いた壁の至る所、三角天井を横に走る柱にまで、写真や定期券、チラシ、名刺などが所狭しと貼られている。
という描写が、『思い出を残すカフェ』としてのマスターの計らい=どういうカフェなのか、よくわかりました。
あと、ブルースの描き方も素敵でした。
〉胸がざわつく、ブルージーな味のあるフレーズ。酒焼けしたようなしゃがれ声が、スローテンポの曲に乗って
音楽って表現しづらいし、私は有名なジャズの曲の名前すら知らないのですが、これはとても想像しやすかったです。
で、高校時代に恩師によく言われた言葉を私が言うのもあれなんですけど(多分私今もなおってない)……。
〉どうして私はこんな時にまで、冷たい雨に降られているのだろう?
どうして私の人生は、いつも土砂降りなんだろう?
〉ここには来たくなかったのに。
ここだけは来るつもりはなかったのに。
〉忘れていた感情が一気に私を支配する。
セピア色した記憶に鮮やかな色が蘇る。
〉あの日も土砂降りだった。
どうして私の人生は、いつも土砂降りなんだろう?
この繰り返される描写が、くどいです。
音階が繰り返されるブルーノートスケールをぐるぐるとした心理的なものと重ねてるのかな、と思ったんですが……。
思い出カフェのように光景を描写するなら理解しやすいですが、同じ意味合いかつ抽象的な感情は、一文だけの方が読者を退屈させないと思います。特に「序」では。
あと、二話まで読んで思ったことは、
明子さんかなりタフじゃね? ってことです。
土砂降りでも幸せな時は表現されていますが、
貧乏なんか怖くない、一人で育てて、立派に育った娘さんもいて、
「どうして私の人生は、いつも土砂降りなんだろう?」って、何度も嘆く人なのでしょうか(疑問形ということは、嘆いているのかなって思いました)。
そう考えて、2パターンの可能性を考えました。
①それは彼女が智昭と出会った頃に気持ちが戻っているのだ、ということであれば、音楽を聴く前から、それこそ軽井沢駅で彼女が退行するフラグを立てた方がいいです。例えば後半に出てくる、
〉智昭と初めて一緒に行った初夏の軽井沢で、突然振り出した雨から逃げるように入った喫茶店。
の時の智昭のセリフか、濡れた時の生々しさが、最初の土砂降りの軽井沢でフラッシュバックするとか。
②もし、マスターが訳してくれたフレーズ『どうして降るときはいつも土砂降りなんだ』のフラグなら、もう最初の時点でブルースが頭の中で響いている方がいいです。
今、前半の投げたブーメランが「わかってんならなおせよ」とめっちゃ自分に突き刺さった状態ですが、参考になれば幸いです。
作者からの返信
コメントありがとうござます!
あはは、くどく感じましたか(笑
そうですね、繰り返される似たようなフレーズが、たぶん二話目にもあったと思います。もちろん意図して書いてはいるので、このままにする(かどうかはわからない)と思いますけど、文章のリズムとテンポでこういった書き方をすることがありますね。前の筆致企画作品でも多分多用していると思います。
何度か読み返して考えてみます。
肥前ロンズ様の考えてくださった2パターンで言うと①なので、そこはもう少し考えてみます。
②(モデルになった曲がある)にもかかってはいるのですが、これだとプロットからずれてしまうので。
沢山のご指摘を感謝します!
ありがとうございました。
編集済
ブルーノートへの応援コメント
企画から参りました。初夏色ブルーノートというタイトルにぴったりな、哀愁ある物語ですね。
一話目に「どうして私の人生は、いつも土砂降りなんだろう?」とあり、過去に何があったのかと思い、先が気になりました。
雨とブルーノート、初夏といった要素が、人生と重ねるものであったり娘の名前だったりと、それぞれ物語ときっちり紐付けられており違和感なく読めました。
特にブルーノートを「ブルーノートの正確な音程は、微分音と呼ばれる」と説明し、最後に「私の言葉は、きっと微分音ずれていたに違いない。」と綴る。この点が上手い構成だと感じました……!
【追記】変更されたラストの文、拝読しました。こちらの方が「微分音」の部分が目立っていて良いと思います。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
いつもだったらもっと明るい未来のある展開にするところを今回は逆の方へ進めてみました。
それでいて読後感は悪くならないように気をつけたつもりです。
初夏とブルーノート、そして今回は根幹に雨を持ってくることでプロットとタイトルの回収を試みたので、それが上手く機能していたら幸いです。
どうしてもブルーノートの説明をいかにも説明ですとしたくなかったので、ラストの文を褒めていただいた事は嬉しく思います。
少しだけ変えてしまいましたが(笑
最後まで読んでくださって、また評価もありがとうございました!
ブルーノートへの応援コメント
明子のことを思って決断したことがお別れの原因となってしまったのは悲しいことですねぇ。決断前にひと言明子に相談していれば……。男のプライドとかもあったのかな、と想像しました。
初夏(ういか)ちゃんという名前、いいですね。かわいい。いい子に育ってくれたようでなんだか報われた気持ちになりました。
渋さがあってセンスが光る作品だと感じました。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
大いなるすれ違い、というやつですね。
明子の複雑な過去と心理、智昭の明子に対する思い(なのかプライドなのか)。そして、幸せって誰かと一緒にいるからと言って、同じとは限らないですしね。
現実的に考えるととても難しい問題だと思います。
初夏(ういか)はゆあん様のプロット書いてあった時に、名前にするとかわいいなと思ったので(笑
最後まで読んでくださって、また評価もありがとうございました!
ブルーノートへの応援コメント
没入感のある胸に迫る作品ですね。明子の心理は複雑なのですが、読んでいて彼女の気持ちがすんなりと入ってきました。
途中のバンドメンバーの名前には、ずっこけそうになりましたが(笑)
哀愁ある雰囲気がよかったです。
最後の場面が、私、にぶいので一瞬「?」となったのですが、声ができくい人の設定なんですね? もうすこしヒントがあってもよかったかもしれません。サプライズ的にあるので、加減は難しいでしょうけど……。他の方は、すんなり気づいているようなので、スルーしてもいい感想ですが。
作者からの返信
竹神様もご存じの通り、私は児童向けを書いています。
児童向けでは共感される事を第一にキャラを決め行動させますが、今回は徹してそういう部分を排除しました。
明子の行動心理は複雑で、共感できない事も想定して、ブルースを主題に人間臭さや人間は綺麗な事ばかりではないと表現してみました。
共感できる方も共感できない方も、そこへ至る没入感が上手く表現できていたら幸いです。
バンドメンバーは、知っている人だけがフフッてなるお約束と言う事で(笑
本来物語として隠す必要があるのかどうか悩んだ上で今回のような表現になっていますが(隠さなくてもよかったような)、明子は父親の不倫現場を見つけてしまった事でしゃべれなくなってしまいました。
歌を失ったとはしゃべれなくなったという事です。
色々と調べて最終的に決めたのが、自分の声が言葉が嫌でしゃべれなくなった→精神的問題でしゃべれなくなったという設定に落ち着きました。
なので、ラストは今までしゃべらなかったけどしゃべってみた、という形になります。
しゃべる寸前に手話をして(私の好きな、まで)考えてから声を出すという表現になっています。最初の方で振り出した雨から逃げているシーンで持っていたペンとメモは、筆談用となります。
最後まで読んでくださって、また評価もありがとうございました!
ブルーノートへの応援コメント
企画から来ました。
初夏は智昭との間で出来た子どもなのでしょうか?あの頃の記憶は、辛い想い出のように語られていますが、愛娘に初夏と名付けるあたり、きっと心の奥底では、大切な想い出だったのでしょうね(^^)
作者からの返信
そうです、初夏は智昭との間に生まれた子供です。
あの頃の思い出は、確かに大切な思い出には違いないと思います。
ただ、例えば誰かを好きになった時に、相手の影響で好きになったものは、別れた後には嫌いにはならないのではないかなと思いました。
初夏もそうですし、喫茶店で聴いた曲もそうです。
それが初夏の名前しかり、明子のラストのセリフにも繋がっていると思ってこういった形になりました。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
ブルーノートへの応援コメント
自分の余計な一言で家庭を壊しちゃった自責の念で声が出なくなったのか。
そりゃ、智昭は安易に歌わせるという約束を反故にしちゃだめですね。
冒頭の雨が降り出す描写は音と匂いを感じます。
喫茶店の内観もモデルがあると言われるだけあって容易に想像できました。
物語のトーンと描写量のバランスの調和がとれていると思います。
作者からの返信
大切にしたいが、苦労をかけたくないになるのか、苦労をしてでも夢を目指すべきなのか、智昭としては覚悟を決めた選択だったのかもしれません。
この辺は男としては難しいですよね。
描写のバランスを褒めていただいてとても嬉しいです。
この作品を書くにあたって、どうやって小説を書いていたんだっけ?となっていたのでホッとしました。
最後まで読んでくださってまた評価もありがとうございました!
編集済
ブルーノートへの応援コメント
解禁!!!
では……
> 智昭は人を歌ったブルースが好きだった。ブルーノートが好きだった。
*好きだった。と畳みかける表現が歌うようで心地いいです。
>本格的な夏がくる前の、暑さと寒さが入り混じった草木が香る初夏が好きだった。
>まるで浮き沈みする人生のようだって。
*智昭さん、詩的な人物だなあ!
>私は智昭との暮らしに夢を描いた。
>遠い遠い昔、幼いころ思い描いた子供じみた夢を。
*夢を描いたのね、子供じみた夢を……となだらかに読めるので美しい文法だと思います!
>毎日声が枯れるまで歌っていたあの頃のように。
*前文の歌いたい、のリフレインと共に熱量を感じさせる、と同時に切ないほどの望みかけた想い、伝わります。
>他の奴らには文句は言わせない。リーダーである俺が決めたって。
>嬉しかった。土砂降りの人生でも、ずっと燻っていた儚い夢を見てもいいんだと思った。
*智昭の力強さに勇気づけられた瞬間ですね。嬉しかった。そんな約束をずっと胸に抱いて噛みしめる姿にいじらしさ、可憐さ、奥ゆかしさを感じます。
>ユースKさんや矢場杉さんは?
*前振りがやけにドラマチックに迫るなあと思っていたら、ヤバすぎるお二人が友情出演www
>どうして私の人生は、いつも土砂降りなんだろう?
*こちらは裏のテーマですね。前章でやまない雨は、ない。と言っていますし。ブルージーなシチュエーション。
>貧しい暮らしは慣れっこだ。そんな些細な事は我慢できるし、自分が頑張ればどうにでもなる。夢をなくしたら生きていけない。過去に失ったものが大きすぎて、せめて夢を見なければ、私は自分の存在を飲み込む事ができなかった。
*うん。これが明子のテーマだな、と。もうこちらが胸を打たれて言葉が出てこないほど、つらかったのだな、と。
>私の夢は私のもの。智昭の夢は智昭のもの。
>誰にも理解なんてされなくてもいい。共感されなくてもいい。
>私に智昭を背負わせないで。夢を手放す言い訳に私を使わないで。
*もう、とうに自立してる人の想いなんですね。言い訳に私を使わないで、は依存されて苦しい想いをしているのかな、とも思えるのですが。自分としてはそこまで思い込まれたことがないので想像するしかないけれど、苦しいのだろうな、と。
>ずっと土砂降りだったけれども、辛いことも苦しいこともあったけれども、私は不幸だった訳じゃない。
>今に甘んじてた? 上昇志向がない? そんなの知らない。お金のある暮らしが幸せだなんて思わない。
*幸せは、お金があることじゃない、心持ちの事なんだと言っていますね? ちゃんと前を向いている気持ちがある。前向きに頑張れる人でないと出てこない言葉です。
>ついには智昭の家を飛び出して、私はそのまま連絡手段を絶った。
*えーきちさんの明子、思い切るなあ。いっそすがすがしいです。
>その日もやっぱり土砂降りだった。
*とことん詩的なんですね。楽譜のように端正に作られた文章構成だと思います。
>色気のあるしゃがれ声が、語りかけるようなフレーズの後のかき鳴らされたギターと重なる。そんな音色と歌声が、私の生きてきた証を掘り起こしていく。
*詩的な表現。掘り起こしていく。
>智昭の元から逃げ出した後、泣いても笑ってもやっぱり初夏はやってきて、私は女の子を出産した。
*やるせない雰囲気がいいです。
>地元から遠く離れた土地で、乳飲み子を抱えた女ひとりの生活は想像していた以上に大変だった。
*ちょっと目を離したら死んじゃいそうだものね、赤ちゃん!
>生まれたばかりの子供を預けて働き続け、夜にはおっぱいが出ないと泣く娘を寝ずにあやしもした。
*本当に大変だったのね……。
>学もなく技術もなく、ましてや人と関わる仕事もできない、薄給で蓄えるお金がまるでない私でも、子供が病気になれば進んで仕事を休み看病した。
*すばらしい母の愛!
>私は貧乏には慣れていたけど、大切な娘にひもじい思いをさせたくなかったから昼も夜も働いた。体を売れたら楽だったのにと何度も思ったけれども、私にはそれさえもできなかった。
*すごい母だ!
>私の身勝手で父親のいない子供にしてしまった負い目はあった。けれども、自分が浅はかだったとは思っていない。後悔もしていない。
*強い想いを感じます。
>みんなに考えなしだと嘲笑われた。馬鹿だと罵られた。
*つらかったろうに。
>けど、本当にいい子に育てる事ができたと思う。自慢の娘だ。
*娘さんを自慢に思えるのは、精一杯育てたからだわ! 立派よ。
>天井や壁に貼られた写真や名刺と同じく、思い出を残していくための自由帳――思い出ノート。
*この「ノート」がブルーノートに重ねられるのね。本当にそういう喫茶店がありそう! 行ってみたいです。
>やまない雨はないよね、きっと……と。
*ここにも出てきたA’フレーズ。きっとこの小説は音楽のように構成されてるんですね。起承転結の承部で出てきたテーマのくり返しですね。
>「わ……わ? わた……わた……し……の……す……すき……な……う……た」
>穏やかな風が頬を撫でる雨の上がった初夏の軽井沢で、何十年ぶりかに出した私の言葉は、きっと微分音ずれていたに違いない。
*結論は「これは初夏色ブルーノート」ですよ、と語っています。
鬼の目で見ても油断も隙もなく、美しく、また神秘的です。
おおらかな目で見てもうつくしく、詩的です。
すばらしいです! 書籍化したら売ってください。
作者からの返信
沢山の感想をありがとうございます!
友情出演のふたりは、別にヤバい人たちではありません(笑
ちなみに、モデルになった喫茶店は軽井沢での私の行きつけの喫茶店でした。
店内の様子はそのまんまですよ。
最後まで読んでくださって、また評価もありがとうございました!
編集済
喫茶店への応援コメント
>やまない雨は、ない。
ステキなフレーズがいっぱいで挙げきれないけれども。
後の方にきた文句ほど、印象に残りますね。
部分で言うと、
>それって、周りとズレた土砂降りの人生をすごしてきた私みたいだ、なんて思った。
>物悲しい雰囲気を出すフレーズだからと言って、曲全体が暗くなる訳じゃない。どこか僅かにズレたくらいで、人生落ちたりなんかしない。やまない雨は、ない。
>智昭は私を抱き寄せて、言葉を噛み締めるようにそう言った。
モー―! ロマンチックだなあ!!!
ブルースから力強く転調しそうで、期待大です。
作者からの返信
ブルースはここから加速します(笑
印象に残るフレーズと言ってくださってありがとうございます!
ブルーノートへの応援コメント
これはすごい!
これは、すごい!
思わず二度言ってしまうほどの素晴らしさ。いやー、えーきちさん凄いですね。深く深く没入してしまい、そしてユースKと矢場杉で吹き出す……笑
いやいやそれを加味しても素晴らしい作品ですね。こういう可哀想なヒロインが頑張る話って好きなんですよ。初夏色ブルーノートの使い方も「初夏」の使い方ももまた秀抜で。いい意味でいつものえーきちさんらしくなくて、流石の引き出しの広さだなぁと思いました。
いやほんと、素晴らしい作品! あっぱれです!
作者からの返信
ユースKと矢場杉ネタは、知っている人だけが噴き出すと言う(笑
今回はブルーノートをジャズではなくブルースで表現したことで幅が広がった感じがします。ブルースって人間の原始的な感情から滲み出てくるような気がするので。
喜んでいただけたのでしたら幸いです。
最後まで読んでくださって、また素敵なレビューもありがとうございました!
ブルーノートへの応援コメント
やめてくださいよー!!
笑っちゃったじゃないですか!!
せっかくのいいお話なのに!!
面白かったからいいですけどね。いや、後の部分がまるで頭に入ってこなかったです。見習い天使でみんなこの状態だったんですね。笑笑笑笑
いや、それはともかくいいお話でした。一人の女性の半生の内面掘り下げ系、なかなか新鮮でした。
実にさりげなくおっぱいが入ってるのもいいですね。
しかしこの形式のお話、どうしても回想シーンが増えちゃうのが難点ですよね。これまでに発表された方のお話読んでいても回想シーンの処理にみなさん苦労されてるみたいです。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
筆致企画は大人な遊びですからwww
マイレギュレーションも自然にしっかり入れることができました。
確かに回想シーンが多くなりますね。
約半分が回想シーンと言う。
おまけに気をつけたのは、智昭がブルーノートに詳しいからと言って、明子が詳しいわけじゃないってところですね。
だから、どこまで回想シーンでどうやって書くのかがキーではないかと。
初夏色ブルーノートというタイトルとしては。
やっぱり単純なプロットは難しいです。
『関連付けてもいいし、関連付けなくてもいい』とゆあん様に書かれると、何としてでも関連付けてやろうとは思いませんか?www
最後まで読んでくださって、また評価もありがとうございました!
ブルーノートへの応援コメント
夢でなく明子をとる。そんな智昭の選択も決して間違ってはいなかったと思いますが、それは明子が望んでいたものとは違うのですよね( ω-、)
幸せとは言えない別れ方をして、その結果苦しい思いもたくさんすることになった。だけど懐かしい歌を聞き、再び智昭を思い出した今、辛さや苦しさとは違った思いを抱くこともできそうですね(*´▽`*)
さらりと出てきた「ユースKさんや矢場杉さん」に吹き出しました( ゚∀゚)・∵ブハッ!!
作者からの返信
コメントありがとうございます!
幸不幸は人それぞれ違っていて、苦しさとか辛さとか、それが必ずしも不幸に結びつくとは思っていないんですね。
みんなに馬鹿だと言われても、共感されなくても、明子はそれでも自分の決めた道を歩めたのではないでしょうか?
友情出演に突っ込んでくれてありがとうございます(笑
最後まで読んでくださって、また評価もありがとうございました!
ブルーノートへの応援コメント
夢を追いかけてほしかったのに、気持ちはすれ違い。一緒にいられなくなって離れるしかなかった明子の心中を思うと切ないです。
けどもしかしたら、あの時は離れて正解だったのかも。気持ちがついていかない状態で側にいても、限界が来てしまいますから。
けど時が流れて、何かが変わって。今だから過去とも向き合うことができたのでしょうね。
わたしのすきなうた。ちゃんとそう言えて嬉しかったです(*´▽`)
作者からの返信
コメントありがとうございます!
自分にいっぱいいっぱいだった明子の我儘でもあるのですが、人間どうしても綺麗な感情ばかりじゃないと思って。
過去は過去、未来は未来。
智昭との未来はなかったかもしれませんが、明子は初夏との未来がありました。
何が正解なのかはやっぱりわかりませんけどね。
最後まで読んでいただき、また評価もありがとうございました!
初夏への応援コメント
うううっ、ここまでネタバレした状態で最終話を読むなんて、カクヨムに来て……、いえ人生で初めてだ〜★
皆さんの感想や疑問に加え、えーきち先生の見解まで読んじゃってますからね〜。小説には描かれなかった公式見解まで、ばっちり仕入れちゃってますから(泣)
なので、今回は感想は書けません。
ただ、物語自体は良かったですよ?
悪かったのは、えーきち先生が、(最初は恐らく2話だった話を4話に)分割しちゃったことです。
だから、物語を自分で味わうことが出来なかったです。残念★
でも明子さんのような読者が共感しずらいキャラクターを主人公にもってきた部分とか、興味深い試みだと思います。
『明子』さんという人物を、ブルーノートの西洋式音階にはないズレになぞらえて物語を紡ぎだすなんて、えーきち先生以外には思いつかないのではないでしょうか?
その着眼点は凄い!
いつものえーきち様の作風とは違っていたけれど、やっぱり他の人とは違う独自性がありますね。
……って、まだ二作品しか読んでないけれど★ てへっ!
って、初対面でしたね、失礼しました。
作者からの返信
コメントを読んでしまうとモロネタバレですね。
大変失礼いたしました。
今回の作品はエンタメに振らない話にしたので、普段子供向けばかりを書いている私としては違う作風かもしれません。
これからもよろしくお願いいたします。
最後まで読んでくださって、また評価もありがとうございました!