第4話「女の子のヒミツ」
次の休みの日。
みなとを呼んで。
色々話していた。
するといきなり。
こんな話をみなとがし始めた。
「まーくん、生理についてなんだけどね」
「せーりって?」
もちろん何の話だかはあまり分かっていない。
「まーくんはどんなことが女の子の体の中で起こっているかわかってる?」
「ぜんぜん」
「こまったわね、そうなると何から説明すればいいか困るわね」
「それを言われるぼくはもっとこまるよ、分かってないから」
「そだよね、ちょっと待ってね」
するとみなとはごそごそスマホを検索し始める。
ぼくは焦っても仕方ないので。
とりあえずスマホに目を落としつつ。
漫画の続きでも読んでみることにする。
みなとはめぼしい記事をみつけたのか。
何やら読み込んでいる。
ぼくに読ませる記事を探しているようにも見える。
これだよと言われるまで。
だまって、漫画を読んでいる。
なんか、恋愛の漫画で。
なんとなくこれは告白するんじゃない?
みたいなところまで読んだ時だった。
みなとが読ませるのかと思いきや。
「そうだね、まーくん、分かりやすく言うと、赤ちゃんを産むための準備なの」
「うん」
「それでね、女の子は毎月赤ちゃんを育てる部屋の壁を入れ替えななきゃいけないの」
「うん」
「その時にの壁がはがれて、体の外に出てくるんだけど」
「うん」
「そのときに、すごく痛かったり、歩くのもきつくなる子も当然出てくるの」
「みなとも苦しんだね」
そういうと。
みなとは少し考え込む。
分からない話題なので、下手に突っ込まないで。
おとなしく話を聞く。
みなとは少し恥ずかしそうな顔をしているが。
まだ特に返答していない。
さっきの漫画を読もうと。
スマホに手をかけると。
「わたしはね、軽い方なの」
そう口にした。
「軽い?」
まったく意味が解らなかった。
軽いとか、重いとか。
何か重さが違うんだろうか?
取り合えず、男のぼくにはあまりピンとこない話題だった。
「えっとね、まーくん、すごくお腹が痛い人は重いっていうのね、わたしはあんまり痛くならないの」
「なるほど、その意味での重いとか、軽いとかその話題なんだね、痛みが重いか軽いかの違いなんだね」
「そうそう、だからね、軽いわたしを基準の物を考えると、失敗するよって話なの」
「失敗?」
説明は分かっているんだけど。
どんな失敗があるのか。
ものすごく聞きたい気分だった。
みなとは軽い。
お姉さんは重い人だったとして。
何hが違うのかなって、ものすごく気になってしまっている。
でも、適切な言葉が分からなかった。
「そうだね、まーくん、例えばだよ、軽く人とぶかった時と、まちがってタンスに指をぶつけた時ってすごく痛みが違うよね?」
「うん、すごく違うよね」
「ちょっとの痛みしか感じない人は軽いわけなの、それ以上に痛い人は重いってわけなの」
「うん」
「人にぶつかった時くらいにすぐに痛みが引く人も入れば」
「タンスにぶつけた時みたいに、ずっと痛い人もいる」
「そうそう、そうなの」
「でもそんなの痛いの毎日続いたらいやだよね」
そこまで話をしたときみなとはまたサイトを見返している。
ぼくは邪魔してしまわないように。
しばし待つことにする。
そして少しして。
「それで、その痛みって、一定ではないの、それ以上に痛くなことも」
「それはすごいつらいね」
「そして、痛くなくなることは少ないの」
「それはかなり具合が悪いね」
「そうそう、そして重い人の具合悪い時はね、もう想像を絶する痛さなのよ」
「どんな感じ?」
「もうね、じゃおう〇んさつこく〇ゅうはー!みたいな」
「なんだって?」
「じゃおう〇んさつこく〇ゅうはー!」
「ごめん、よくわからないや」
「そっかーパパの本棚にあるマンガで読んだんだけどね」
「わかんないけど、なんかすごいことになってるのは、よくわかった」
「そう、すごいつらい人は無理なの、外に出るとかね」
その言葉に。
やっと言葉の本質をつかんだ気がした。
要するに、そのお姉さんの生理が重かったときは。
外にも出るのも辛いってことを言いたかったんだろうなって。
なんとなく理解できた。
「だからねまーくん、お姉さんが具合悪いです、次のお休みにと言っても怒らないで聞いてほしいの」
「それは大事かもね、みなとの話を聞いてると、そんな気がしてた」
「そうそう、あと、お姉さんとエッチはしたいの?」
「なんだよみなと、からかうなよ」
「からかってないよ、真剣な話だよ」
その意図がよくわからなかった。
いきなりそんな話になるとは思ってなかったから。
うまく、言葉が出せない。
「言いにくいとは思うの、でもお姉さんとデートするんなら、避けて通れない話だと思うの」
「そうだね、多分あっちゃったら、エッチしたくなるのかもね」
「でしょ? そんなときのアドバイスなんだけど、もしその時、お姉さんが生理が終わったばかりなら、やめた方がいいわ」
「え? なんで?」
「生理が終わってすぐは、傷がつきやすかったりする、そして、その傷口から、病気になりやすかったりする」
「そうなんだね、その時は、お姉さんと相談してからきめるよ」
みなとはその言葉を聞いて少し落ち着いた感じだった。
冷静に考えて。
そんな女の子のヒミツを話すのって。
かなりの勇気がいるし。
もしこのまま自分にお姉さんという憧れの存在がいなければ。
解説もしなかっただろうなって。
そんな内容。
それを考えると。
みなとが頑張って教えてくれたんだなって。
そんなことを考えながら。
「ありがとう」
と自然に口に出していた。
みなとは気にしないで。
と言いながら、台所に向かっていった。
おそらくぼくの夕飯をつくりに行ったのだと思う。
お姉さんの返信が結構前に届いていた。
それに返しながら。
ぼんやりとみなとの背中を見つめていた。
みなとは鼻歌交じりに。
なにかを煮始めた。
ぼくの好きなジャガイモとか。
その辺だろうな。
なんて思いながら。
みなとを見つめていた。
今日の話を何かかみしめていた。
みなとは軽い。
なんてことを言っていたけど。
そんなくるしみと闘いながら。
この毎日を生きている。
いつもニコニコしながらぼくのご飯を作ってくれている。
何かそのすごさをひしひしと感じながら。
見つめている。
「どうしたの、もう漫画とか読んでていいんだよ」
なんて言われて。
「ありがとう」
と、返しつつ。
心のどこかで焦りも感じていた。
お姉さんと出会ったときに。
ぼくはこの役割を。
みなとの役割をお姉さんに求めているんじゃないか?
そんな疑問に行き当たる。
頭の中で想像しつつ。
いくらシミューレーションしても。
ぼくはやはりみなとの役割をお姉さんに求めている。
ってことを考えてしまった。
お姉さんはニコニコしながら。
料理を作ってくれるだろうか?
それとも怒ってしまうのかな?
色々葛藤した。
「ねぇ、みなと」
煮物を見張っているみなとに声をかける。
みなとはスマホを見ながら返事をする。
「お姉さんと付き合うようになったら、ぼくが料理できないと、まずいのかな」
そう聞くと、みなとは少し考えてから。
首を横に振った。
「まーくんそれは考えすぎだよ、もしお姉さんがなにか食べたいと言ったらわたしが作り方教えてあげるから」
「そっか、よろしくお願いね」
「任せといて」
みなとは機嫌がよさそうだった。
まるで、たまにに帰ってくる母親がぼくに何か教えるときと。
同じ顔をしていた。
みなとってたまにこういう顔をするから。
本当にお母さんなんじゃないか。
って錯覚してしまうけど。
みなとは近所の幼馴染。
そこは勘違いしちゃいけない。
そう言い聞かせつつ。
ゆっくりとスマホをしまい。
台所から色々持ってくるみなとの手伝いをした。
みなとと晩御飯。
みなとはさっきの漫画の話をしながら。
夕飯を楽しんでいた。
ネットで素敵な人に出会ったと煽ってくる幼馴染に対抗して自分も素敵な人見つけてやった結果 時雨朝 @asa_sigure
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