義賊と姫の恋のファンタジーリプレイ

最初は楽しくゲームやってるなあって感じで、お姫様とプレイヤー達の交流をまったり読んでましたが、9話で居住まいを正して読みました。いいですね、こういう王道。ここら辺のルシェドには思わず涙しました。

作中作とキャラクター達それぞれの想いが絡み合ってさわやかなラストに至る流れは少し懐かしいまっすぐなファンタジーとして、読むこっちにも刺さりました。ルシェドと姫ももちろんですが、アルテミシアさんの、夢を見せながら、お客さんの見る現実も見ている感じの語りも印象的。

読者の私はシヴァールの物語はリプレイを通して1巻を読んだだけになるんですが……確かに彼が種族とか国とかそんな垣根を越えて沢山の女性の心を掴んだのは説得力あるな……と思います。こういう重い女を受け止められて、自分も傷つくような行動が取れて、一途で、かつ一番に愛する女以外の女にも紳士な男ってモテるんだ、私にはわかる。多分私もこの世界の住民だったら熱心な読者だったろうな(笑)そんな彼を書く作者があんな人というのも逆に説得力があります。ああいう人ほど根っこは純だったり、でなかったとしても才能はあるものです。


メタ的なところではプレイヤー達が笑いを交えつつ楽しそうに遊んでいるのを感じられて、本編ストーリー的にはまっすぐな王道で、良いリプレイだなと思います。ラグのメリアに対してお姉さんっぽいところや、決めるところでは決めるキングのツヴァイも素敵でした。執拗に叩き割られるツボもツボでした。ツボだけに。

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