淡々とした振舞い、事務的な夜伽、それを傍目に見る者と自らの目で見る者と

主人公がドライなのか彼女の視点では日常でも怪異との対峙とでも淡々と物語が進み、作中世界は起伏のない平和な世界のように見えるが、とんでもない。
一度彼女のフィルターを外した世界は混沌の坩堝、意志を持った災害のような存在が頻出するような世界で、人類の絶滅は秒読み状態とすら思えてしまう暗黒郷。

TS転生者である故にどこか諦めがちな冷めた性格の主人公、水琴が発作的に人間らしい感情の爆発をする様がとても愛おしく思えます。

龍神と巫女（生贄）の歪な愛と屈折した信頼関係を期待して待っています。