勇者が魔王を倒したら。
@saitoudono
第1話
「はぁっ!はぁ、これで終わりにしてやる!いっけぇーーー!!!」
やった、俺たちはとうとうやり遂げたぞ。この世界を恐怖に陥れていた魔王をこの手で倒したんだ。これでこの世界に平和をもたらすことが出来る。
「やったねルーくん!魔王を倒しちゃうなんてすごい!」
「まさにギリギリの戦いだった。あそこでお前の機転がなければ俺たちはみな死んでいただろう。よくやったな」
「あんたちょっと突っ込みすぎなのよ、あたしの回復魔法が無かったらとっくに死んでたわよ」
「あはは・・・。でも俺たちは勝ったんだ!みんなのおかげだ、ありがとう!」
時は少し流れ国を挙げての魔王討伐により平和を祝うパレードが開催されていた。
「それではこれより国王陛下による勇者ルーク及びそのパーティへの表彰状授与を行う!代表ルーク、前へ」
厳格な雰囲気の中、国王の前へ歩いていく。まさか本当に俺がいや、俺たちがこうして魔王を倒し、みんなに祝ってもらえる日が来るなんて。
ここにくるまでいろいろなことがあったな。すこし涙が出そうだ・・・
「ルーくん緊張してるのかな?」
「いや、うれしいんだろうな。」
「私たちの代表なんだからもっとシャキッとしなさいよね」
「国王の命を果たし、再びこの地に戻りました。」
「おおルークよ、よくぞ魔王をその手で倒し戻ってきてくれた。ここに国を代表し感謝の言葉と褒美の品をそなたに」
ん?褒美の品など式典の予定には無かったはずだが。
「これは王としてではなく、私個人としての祝いのものだ。どうか受け取ってくれると嬉しい。」
その箱には自分を含めパーティ人数分の綺麗な装飾の施された武器が入っていた。
パーティとして魔王との戦いの日々を忘れないために飾っておくにもこれはとてもうれしいものだった。
「ありがとうございます!!」
「さあ、全員でここにいる皆にみせてはくれないか?」
いわれたとおり綺麗な装飾の武器ををみんなに渡し、観客の方へと振り返る。
その瞬間、大きな歓声が上がった。きっとこの景色は忘れることはないだろう。仲間の方を見ると皆も同じ気持ちのようだった。
それからパレードも無事に終わり再度国王の元へ呼ばれたので向かう。
すると国王から告げられたのは・・・
「勇者ルークよ、そなたにはこれより魔王となってもらう。」
はい?今なんて?魔王?俺が倒しましたよね?魔王になってもらう?
「勇者ルーク及びその仲間はこれより魔王ルーク軍となり君臨してもらう」
勇者が魔王を倒したら。 @saitoudono
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