平安時代。その美貌から、あらゆる殿方を惹き付け虜にしてきた姫。だけど彼女が真に求める相手だけは違いました。
諦められない姫は様々な策略を駆使して意中の殿方に会おうとしますが、その手段は決して良いと言えるものではありませんでした。
恋焦がれているからこそ、犯す過ち。その先にいったい何があるのか。
という、妖しさと背徳に満ちた物語は、本作のほんの一端にすぎません。というのも、今まで書いてきたものは、全三部あるうちの一部。なんと二部では一気に時代が変わり現代へ。
こちらでは、非モテのオタク女子が意中の男の子とくっつくため、超絶モテ女に協力を頼むというお話。
どこかズレたオタク女子と、計算し尽くされたテクニックを駆使するモテ女子というデコボココンビ。一部の妖しさから一転して、ラブコメ全開の作りです。
どうしてこんな全く異なる話が一作にまとまっているのか。もちろん、一切無関係というわけではありません。
ただし、その全容が明かされるのはずっと先。
さらに、ネタバレになるためここでは詳しく書くことはしませんが、物語はその二つだけでは終わりません。
いったい何がどんな風に繋がっていくのか。あれこれ想像しながら読んでみるのもいいかもしれません。
第一部は平安時代。
ヒロインは簡単に言えば、好きな相手に振り向いてもらおうと躍起になる、ヤンデレなかぐや姫ですね。
愛する陰陽師の彼のことを想い手段を選ばない恋に走ってくれる、ホラー要素ありの愛憎劇です。
そして第二部。
前回の重たい雰囲気はどこへやら。時代を令和に移して、今度のヒロインはちょっとおバカな女の子、モチ。
恋愛ベタな彼女が、女の敵である超絶モテ女に頭を下げて恋愛指南を受けるというお話なのですが。
この第一部と第二部、まるで全然別のお話のよう。
第一部でハラハラし、第二部ではモチのポンコツぶりに笑わせてもらいました。
そして第三部では、謎に包まれていた二つの物語が交差する。
シリアスもラブコメも同時に楽しめる、不思議な愛のお話です。