現役女子高生アイドルの最上まこは、クリンクというサイトでBL小説を書いている。守ってあげたい少女ナンバー1として芸能活動をしているが、本当の彼女はとてもエネルギッシュ。
まこのファンであり、クラスメイトの立石隆斗もクリンクでイラストを公開していた。
隆斗がまこの素の姿を目撃してしまったことで、2人の物語が動き出します。本来のまことアイドルのまこのギャップに衝撃を受けた隆斗の奇行がとても笑えます。すれ違いにすれ違いを重ねる2人の様子が面白すぎて、読んでいると自然と笑顔になるのです。
仲が良いまこの家族にはほっこりさせられ、マネージャーの水戸や隆斗の妹である由衣も、みんな魅力に溢れていてすごく心踊ります。
また、創作関係のストーリーには共感するところがたくさんありました。好きなweb小説に初めてコメントを送る緊張感や、初めてコメントをもらう嬉しさ。心ない言葉をかけられても、誰か一人の存在で元気をもらえる。思わず頷いてしまいます。
誰かのために全力になれるキャラクターたちを、ぜひ見てみてください!とっても面白く、素敵な物語でした。
『守ってあげたい少女ナンバー1』が売りの天使系アイドル・最上まこ。
そして、実はまこの大ファン・通称『エンジェラー』であるコミュ障男子・立石隆斗。
同じ高校に通うクラスメイトの二人には、それぞれ大きな秘密があった。
それは、クリエイターの卵達が集まるWEBサイト『クリンク』で、まこは小説を書き、隆斗は絵を描いていること。
しかし、二人がWEBで名乗っているペンネームは、あまりにもとんでもないもので……!?
強い引力を感じて一気読みした際に、間で何度もお腹がよじれるほど笑ったドタバタラブコメです。まこの歯に衣着せぬ物言いや、隆斗の挙動不審全開の行動が、圧倒的なパワーに満ち溢れた言葉で表現されています。
才能同士が惹かれ合うように、WEB上で邂逅を果たした二人は、互いのリアルの姿を知らないままタッグを組み、夢に向かって突き進んでいきます。けれど、奇抜なペンネームゆえに素性を明かすわけにはなかなかいかず、嘘が新たな嘘を呼び、気づけばまこのマネージャーや隆斗の妹など、さまざまな人たちを台風のように巻き込んでいきます。
たくさんの嘘が取り払われたとき、二人の瞳にはどんな景色が映っているのか。ぜひ確かめていただけたらいいなと思います。多くの人におすすめしたい一作です。
偶然が重なり合って、クロスして、すれ違って、その果てに彼らは——。
交互に描かれる視点と感情豊かな読みやすい文章に一気に惹き込まれてしまう。面白すぎるので、勢いに任せてそのまま読んじゃった方がいい——そんな作品です。
『守ってあげたい少女ナンバー1』のアイドル、最上まこ。
コミュ障を自称する、ちょっと頼りない立石隆斗。
同じ高校に通う接点のない彼らだが、まず、彼らにはひとつの秘密があった。
最上まこの素の性格はなんとも豪快、天使どころかヴァルハラの猛者並みのタフネスを持つ……簡単に言ってしまえばおっさん。
対する立石くん、同じ教室に最上まこがいようと話しかけられない、ずっとファンなのにサイン会にも妹に行ってもらうという繊細少年。
お互いに隠していれば絶対にすれ違いもしない素性が、ひょんなことから交わって——?
しかもそれだけでなく、実は二人とも世間には出していない、もうひとつのネットでのクリエイターとしての『顔』があって……。
素性を隠したままネットにリアルに、どんどん関わりは深くなっているのにコントかのようにすれ違う二人! その二人を囲むのは、なんとも個性豊かな人々。
ちょっとだけリアルにもありそうな悲しい描写にチクリとしつつも、立石くんの優しさに頷き、拳を握って応援し、最後はまこちゃんの徹頭徹尾凛々しいその姿に一緒に拳を突き出してしまうだろう!!
ヒロインはどっちだ!? 二人の明日はどうなるのか!
……ところで『銀氏物語』はどこで読めますか?
日本中から愛される天使系アイドル最上まこには、えげつない秘密がある。見かけに反してその性根がおっさんであること。そして、ゲイのおっさんのフリをしてネット上でBL 小説を書いていることだ。
そのクラスメイトの立石隆斗くんにも人には言えない秘密がある。最上まこをデビュー当初から推し続けていること。そして、ネット上では腐女子のフリをしてイラストを描いていること。
あるとき、立石くんはゲイのおっさんのBL小説『銀氏物語』を発見、その内容の繊細さに魅了されてしまう。それは前代未聞、複雑怪奇で抱腹絶倒なシチュエーションコメディの幕開けだった。
ここで、この作品のポイントを挙げよう。
まず、最上さんと立石くんの抱えている秘密が一つではなく二つあること。このズレが次々とおかしな状況を生み出していき、物語はクライマックスまで緩むところがない。
次に、ライトな文体。難解なところが全くなく、さくさくぐいぐい読ませる筆致は、ライトノベルとして非常な強みである。
最後に、脇役。主人公が魅力的であることは言うまでもないが、この作品の脇を固めるキャラクターは主人公を喰いかねないほどに魅力的だ。なにせ本筋の鍵となる『銀氏物語』の元ネタは、脇役であるはずの水戸マネージャーなのだから。彼、すごいかっこいいよ。
率直に言って、書籍化してもアニメ化してもファンがつくこと間違いなしな作品。流行りものに敏感なひとにもチェックしていただきたい。
現在の最先端をいく現代ドラマは、こんなにおかしな〈秘密〉をまとってあなたの前に現れたのだ。
ある時は天使系アイドル、裏の顔はBL小説書きの「最上まこ」。
ある時は最上まこのファン、裏の顔は神絵師の「立石隆斗」。
高校の同級生でもある二人はある日、互いの正体を知らずにネット上で出会い、小説とイラストでタッグを組むことになった!
この設定だけでも既に優勝しているような本作。
しっかりとキャラの立った登場人物たちも、その関係性も、展開の緩急もテンポも、驚くほど無駄がなく凄まじく気持ちのいい読み心地でした。
まこと隆斗、二人の視点が交互に来るため、どこでどうすれ違っているのか一目瞭然なのも面白いです。
推しを愛する気持ちもさることながら、書く人や描く人にとっては共感の嵐間違いなし!
「好き」の気持ちは何より強いし、それを尊重し合える相手と出会えたら幸せ。
ただのラブコメじゃない、夢に突き進む二人の生き様をとくと見よ!
ハラハラ続きのクライマックスから、鮮烈な巻き返しのラストシーンが爽快でした。
めちゃくちゃ面白かったです! みんな読んで!